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俺は、ずっとAの事を考えていた。
部活の時も、ずっと。
頭の中にはAしか居ないように。
「……ダメだ」
練習に集中するなんて、今の自分には到底できそうになかった。…したいけど、出来ない。
「お前よ、そうやってプレーに支障出すんなら、今日は帰れ」
そんな俺に、すかさずそう声を掛けたのは、岩ちゃんだった。
心配してくれてるんだろうけど、言い方が何となく気に食わなかった。どうも、要らない、と言われてるような気がして。
「………分かったよ帰ってやる」
今は、何でも放り投げ出したい気分で、俺は無愛想に、俺らしくないように帰る支度を始めた。
…なんなんだ。
やっぱり、Aは気に食わないなー…なんて、ぼうっとした頭の中で考える。
小さい頃からそうだった。
可愛い自分の容姿で、何でもかんでも周りの空気を自分の空気に変えてしまうとこ。
今は、人と関わらないようにしているのか、ほぼ1人でいるそうだけどさ。
「あぁ気に食わない。」
……俺は、好きだったのに。
アイツは、俺を嫌って、俺らの前から消えた。
それも、別れ方が最悪だった。
「バレーなんてもう嫌い。バレーなんてしたくない。バレーなんて、私に必要ない。」
バレー好きな俺には、かなり頭に来た言葉で。
ガムシャラだった俺は、女の子にも関わらず、年下にも関わらず、殴り掛かろうとしていた。
「……ふっ、懐かし。」
あったなぁ、そんなこと。
また、しみじみと昔を振り返りながら、俺は、バカみたいにガムシャラだったあの日々を思い出した。
「本当に、好きだったなぁー…」
俺の初恋は、年下の子だった。
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ひ、hit数80越え……及川徹…強し…!!(笑)
これからも、更新頑張るので、よろしくお願い致します!!
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作者名:涼芽 | 作成日時:2016年10月24日 21時