【夢短編集②】 (ページ47)

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special sweet…os(1) ページ47

「…マンちゃん、ちょっと離して?」

「ん～、それはちょっと聞かれへん相談やな」

「いや、相談ではなくてお願いなんだけど」

「Aちゃん、めっちゃ甘い匂いすんねんもん。俺が甘いもん好きって知っててなん?」

失念してたわけじゃないけど、むしろちょっと期待していたけど、まさかこんな風にべったりくっ付いて離れなくなるとは思ってなかった。

恐るべし、バニラの香りのボディクリーム。

暑い…。
今はオスマンの家でリクエストのスノーボールクッキーを作っていて、私の背中にぴったりくっついている。
大人しくしてくれてるなら良いけど、首と肩の間に顔を埋めてすりすりしてきたり、お腹に置いてる手を上に滑らそうとするので。

「それ以上するなら作らないからね!?」

「こんな良い匂いさせといてダメとか言うん?Aちゃんも結構心ないなぁ～」

「彼女にクッキー作らせといてそれの邪魔するマンちゃんもどうなんでしょう?」

「そんな口尖らして～……したいくせに」

肩越しのキス。
少し背の高いオスマンに顎をすくわれて上を向かされ、強引に唇を割られて口内を乱される。
口の端から息が漏れ、生地で汚れた手が行き場を失う。
瞳を閉じているオスマンの目元を薄目で見ていると、ふと開いた瞳に心臓が跳ねる。

「…その目、したいん?」

「そういうの、聞くの良くないっ」

「ん～、照れてんの?何したいか俺と考えてることほんまに合うてる?」

「～っ!!もう、離れて!!」

「はいはい、もう悪戯しんとこ」

完全にオスマンのペース…。
鼓動は未だに速いし、さっきのキスを思い出してキュンキュンする。

何がしたいかって、じゃあオスマンは何がしたいの?
風船みたいにふわふわしていて掴み所のない彼は、いつでもやらしい事をしてくるし考えてるような言葉を使うけど、実際どうなのか分からない。
女の私は逆に、そんな事考えすぎちゃダメなのかなと彼の言動に戸惑うばかり。

さっきのキスだって、私は続きをしたかっ…

「むあーーっ!!」

「珍しい声出してどうしたん?」

「自分を殴りたい…」

「そんな趣味あんの?あ、スパンキ○ング?」

「いやーーっ!!そんなのないもん!!ないから!!」

「まあどんなでも、俺はAちゃんやったら何でも許すよ」

「…どんなって。どんなでもそんな事お願いしないもん!!」

「照れちゃってまぁ、可愛い。別にええんちゃう?女の子がピンクな事考えるんも自然の事やろ」

「考えてないってば!!」

「あはは、じゃあそうしとこ」