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起きて…ut ページ4

「A〜!!帰ったで〜!!」

深夜2時過ぎ、友人の結婚式の二次会から三次会と参加しとったら帰るの遅なってもうた。
ゔぉえっ、飲みすぎたなぁ。

「A〜!!……なん、寝とん」


リビングのローテーブルの脇で、俺が使っとる毛布にくるまってAが寝とった。
寝室からわざわざこれ持ってきたんか、可愛えな。

ふと、テレビを観るとくられ先生と俺が映っとって酒が出てくるかと思った。
うわぁ、自宅のテレビで自分観るのきっっつ。

「…A、起きり。風邪引くで」

「ん〜……」

「A、起きて」

髪に手を差し込んでキスをする。
喜ぶかと思ったら、めっちゃ嫌そうな顔された。
嘘やん、そんな顔する?

「…ん、鬱……酒臭ぁ」

「えぇ…」

ぺちっと俺の頰を手で押し退けて、Aは猫みたいに毛布に丸まった。
可愛いなぁ…。

「ちゃうわ!!お前ぇ、彼氏が帰ってきて彼女におめざのチューしとんのに酒臭いとは何やねん!!」

「酒臭いんだもん」

「何なん、もっとおかえり〜とか寂しかった〜とか可愛くお迎えできひんのぉ?ね〜、Aちゃ〜ん」

「うわぁ…重い〜、酔っ払い〜っ」

毛布の上からAにのし掛かる。
重いのは知ってるよ、でも本気では乗ってないよっ。


酔っ払いうざい〜と毛布の中でもぞもぞ抵抗するA。
可愛い奴め、本当は寂しかったんやろ?
やから俺の動画流して、俺の毛布にくるまって、俺の…。

「お前、それ俺の部屋着!!」

毛布を剥ぎ取ると、俺の部屋着の上だけ着たAが恥ずかしそうにしとった。

「下は自分のだもん」

「上は俺のんやろ」

「…ごめん」

あぁ、そやった。LINEで来とった。


━ 何時に帰る?お風呂先入るね。待ってるね。━


こいつ、寂しいとか早く帰って来てとか言われへん奴やから。
ほんまはめっちゃ寂しかったんや。
俺が思うより、寂しいの我慢して待ちくたびれて寝てもうてたんか。

「拗ねてる?」

「ううん」

「袖で口隠さんの、言うてみ?」

「……」

俺のぶかぶかの部屋着着て萌え袖でもぞもぞせんでくれ。
良かったあ、俺デブで。違うわ。
可愛すぎて現実逃避してもうてるやん。

「…ぐすっ、ちょっと寂しかった」

鼻をすするAを、優しく抱きしめる。
何時まで待っててん、まだ髪湿っとうやん。

「すぐ風呂入るから一緒寝ような?」

「うんっ」

「毛布ちゃんと戻しといてな」

「…大音量で動画流してお風呂待っとくね」

「やめてっ!!」



彼シャツちゃうか、彼部屋着か。
萌えるな。

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作者名:芝谷 | 作成日時:2019年11月6日 19時

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