起きて…kn ページ3
Aの家に泊まった翌日、昼間から惰眠を貪るこの至福…。
隣には可愛い彼女、最高やないか。
そんな陽気を打ち破る雷鳴で目が覚めた。
「ん''…まだ30分しか寝てへんやん」
左腕にはAの頭があって、俺の方を向いて小さく蹲って寝とった。
めっちゃ眉間にシワ寄ってるやん、こいつ。
「ぶふっ」
うりうり、眉間を指で押すともっと深くなった。
寧ろ今すぐブチ切れて飛び起きそうなくらいの唸り声がする。
やめとこ、この距離は鼻折れる。
━━ ゴロゴロ…ゴロゴロッ…
あかん、雷気になって完全に目が覚めてもうた。
左腕痺れてきたな〜。
「…A〜」
「んぅ…うるさい」
寝返り打たれて背中向けられた、尚左腕は枕のまま。
「A、ぎゅ〜っ」
「んゔ!!」
「こわっ」
後ろから抱きついたらすっごい声出された、怖ぁ。
なんやねんお前、猛獣か。
ここまで来ると中々起きんのよなぁ、こいつ。
あとコネシマの左腕が限界値。
「A、首痛めるから枕にし?」
俺が使っとったAの枕を腕と頭の間に挟もうと捻じ込んだら、また寝返り打って今度は俺に抱きついてきた。
耐えろ俺のコネシマぁぁぁああ!!
「…ジンバブエ」
「あ、萎えた。ありがとう」
寝言がジンバブエってどんな夢見とんねん。
早々出てこんやろ。
しかし、そんな俺の腕枕がええんか。
「この、甘えた」
「ん…」
小さな鼻を指でなぞると顔をいやいやと振る、頬をぷにっと摘むと小さく唸る。
可愛い、可愛い俺の彼女。
足を絡めてホールド、左腕も少し曲げてAの頭を抱えるようにする。
起きひんお前が悪いんやで。
「起きろ!!」
右手でAの首、脇、脇腹を余す事なくくすぐる。
「むあああ、あはははははっいや〜!!」
「ほれ、早よ起きんかい」
「起きた、起きた、起きたぁー!!あははは、やめてくすぐったい〜っ!!」
ベッドの上で２人でバタバタ暴れる。
くすぐり返してくるAの手を握って、組み敷く。
「気持ちよく寝てたのに、シッマのバカ」
「ジンバブエって言うとったでお前」
「あははっ、何ジンバブエって」
「知らんわ」
「ふふ、おはよ。シッマ」
「おはよ、A。なあ…もっかいやろうや」
「寝起きなのに〜」
そう言いながら俺の首に腕を回してくるAに、顔をゆっくり近づける。
━━ ゴロゴロ…ドカーーンッ……ザァーーッ
「「…洗濯物!!」」
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作者名：芝谷
| 作成日時：2019年11月6日 19時
