キス魔なあの子は優等生【竈門炭治郎】

4 勇気を出して ページ5

Aside


今日の学校もいつも通りで平凡だった。
何か変化が欲しい、それに今は炭治郎に会いたいな。

昼休み、廊下を歩いていた。
前方には炭治郎と仲が良くどこに居ても目立つ髪色の善逸くんがいた。


「あ、善逸くん…炭治郎見なかった？」

「…炭治郎？炭治郎もAちゃんのこと探していたけど…？」

「ほんと！？ありがとう」


善逸くんに炭治郎がいたところを教えてもらい向かう。
早く会いたくて若干、駆け足になってしまう。
冨岡先生に見つかりませんように…。

炭治郎に会ったら何をしよう。
午前中の冨岡先生の授業であった面白いこと話してもいいな。
何か遊び道具があったら良かったのだけど生憎持ち合わせていなかった。

何をするにしてもキスは習慣化しているし当たり前になってしまっている。
いつも炭治郎からすっと私の唇を奪ってくれるのだ。

炭治郎から…。

考えていてある名案が思い付いた。
名案というよりもちょっとやってみたくなったことだ。
でもそれをするのには勇気がいる、私にできるだろうか。

炭治郎からしてくれているキスを私からしてみるのだ。

すんなりと私の唇に重ねてくれる炭治郎にされるがままだったけど、
それを逆転させて私から炭治郎の唇に重ねようとすればどんな風に感じるんだろう。

人があまりいない場所に私から連れてって、いつものように話している隙を狙って…。
考えれば考えるほどわくわくしてきた。
一体どんな反応をしてくれるのだろうか。

ドッキリみたいで失敗できないし恥ずかしい気持ちもあった。
でもいつも炭治郎から仕掛けてくれていて
完全受け身の私も勇気を出してみようかななんて思った。


「あっ、A！」


炭治郎が先に私のことを見つけてくれた。
やはりお互いに会いに行こうと動いたから入れ違ってしまったのだ。

…そうだ、私から誘導してやってみよう。
ほんの少しの出来心。


「炭治郎っ」


炭治郎の腕を引いて誰もいない空き教室に誘導した。

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