キス魔なあの子は優等生【竈門炭治郎】

28 お悩み相談 ページ29

善逸side


「どうしたんだよ、炭治郎」

「いや、久しぶりに善逸と話したいなって思って」


絶対に何かあるぞこれは。
いつもの炭治郎だけどどことなく音が切ない。
優しい音はそのまま聞こえていても奥に複雑な音が詰まっているように聞こえた。

昼休み、俺と炭治郎で校舎外のベンチに座っていた。
どうやら今日はAちゃんは委員会があるとのことで昼休みに会えないらしい。
それで落ち込んでいるのか？いやいや、そんなことで落ち込むのはおかしい。
炭治郎が隠そうとしていても漏れている落ち込んだ雰囲気が心配だ。


「Aちゃんと何かあったのか」

「…！？なんで分かったんだ、善逸」


そりゃ分かるよ、俺を呼び出す時点で何かあるとは思ってたからね。
それに勉強や友人関係に関しては何不自由ない炭治郎に何かあるとしたら
Aちゃん関係だろうなと予想つきますから。

心の中で突っ込みを入れながら話す。


「まあ俺は炭治郎とAちゃんの味方だから何でも聞くけどどうしたの？」

「実は…」


話された内容は思っていたものではなくて思わず叫んでしまった。





炭治郎side


善逸に悩みをありのまま伝えると「馬鹿じゃないの！？」と叫ばれてしまった。
俺は深いキスを無理やりしたことでAを傷つけた気がし不安になっていることを伝えた。


「え、ちょっと深いキスしたからって怖気づいちゃってんの！？」

「Aに嫌な思いさせた気がして…許可も取らずにやったんだ」


無理やりキスをしたこともあったけどそれとはまた違い、
深いキスだったから余計に申し訳なく思ってしまっていた。


「はあ……お前、やっぱり彼女思いで優しいんだな」

「なんだ、善逸は無理やり深いキスをやって罪悪感もないのか？」

「俺はまずお前が日常的にキスをしていたことがびっくりだよ」


俺は日常的にキスをしていることも打ち明けた。
流石に学校内でもあったから善逸は落ち着いて話を聞いてくれていた。


「深いキスをされてAちゃんは嫌がったの？」

「驚いてはいたと思うが抵抗はしてこなかった気がする」

「苦しくて嫌だったら炭治郎を引き剥がすと思うぜ、止めてって言うんじゃない？」


…確かに。
悔しいが善逸の意見に納得してしまう。
Aからキスしてくれることもあったし聞いた時も嫌じゃないとは言っていた。


「お前が不安な理由は分かるけど本当に不安なのは大して抵抗もしていないのに急に距離をとられたAちゃんの方じゃないのか？」

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