19 お見通し ページ20
Aside
朝になっていつものように支度をして学園へ行く。
昨日の夜は疲れてしまってすぐに寝てしまった。
炭治郎と登校の約束を昨日出来なかったから一人で登校。
ぼんやりと眠たい中、足を動かしていたらカラリと金属の音がした。
聞きなれた音だ。
後ろを向けば炭治郎がいた。
「おはよう、A」
「炭治郎…!!」
どうやら私を見つけて私のところまで走ってきてくれたようだ。
昨日は会話一つも出来なかったからこの挨拶はいつもの何百倍も心地よく感じた。
「昨日、俺を待っててくれたんだよな…ごめん俺、昨日は放課後にも用があって」
「なんでそれ…」
「ああ、宇髄先生が教えてくれたんだ」
嬉しいという気持ちにも溢れているけど、昨日遅くまで炭治郎のことを待っていたことが
炭治郎にバレたことはもの凄く恥ずかしく感じられて顔を合わせられなくなった。
宇髄先生も宇髄先生だ。
どうして待っている人が炭治郎だって分かったんだろう。
「ふふ、俺を思って待っててくれたんだな。ありがとう」
満足げに笑う炭治郎。
自分は重いと思ってしていた行為もそう言われてしまえばなんでもよくなってしまいそうだ。
「それと、昨日の休み時間は構ってあげられなくてごめん」
「ううん、別に大丈夫だよ。今日こうして登校できるだけで嬉しい」
「そっか、すごい嫉妬の匂いがしたからちょっと驚いちゃったんだけどな」
「へえ…」
寝ぼけていたので唐突に言われたこの言葉をスルーするところだった。
「え、嫉妬の匂い!!?炭治郎、まさか……」
「ん?廊下の隅でAの匂いがするなあとは分かっていたんだが嫉妬の匂いがしていて…」
「も、もう言わないで!!」
バレてた、嘘でしょ!
もしかしたら私が炭治郎の隣は私のものだなんて思っていたことも気づかれてるのでは?
そう思うと変な汗をかいてきてしまう。
そう思った矢先に言われる。
「大丈夫、俺の隣はAだけのものだから安心して」
ああああ!やっぱりお見通しだった!!
いつも以上に体から熱が出ているのがしっかりと分かる。
昨日はほんと炭治郎に構って欲しすぎて自分が重いのかもなんて思いこんだりも
していたのにこれは思い違いだったのではと思うと混乱してしまう。
でも今の台詞、狙って言ったわけでもない。
この素直な表情は天然で言ってる。
顔も真っ赤になる、私ってなんでこんなにも無力?
体中が熱を帯びる中、私は炭治郎の鼻をつまんでくらりとよろめいた。
915人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノブ(プロフ) - ヤバイヤバイめっちゃドキドキしました!!ドキドキをくれてありがとうございます<(_ _)> (2022年4月9日 9時) (レス) @page42 id: 1ffddb9be4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ぽぽぽぽぽさん» コメントありがとうございます!甘い炭治郎が書けて良かったです! (2020年5月22日 9時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽぽぽ - ごはぁ!(炭治郎にやられた音)面白いです! (2020年5月7日 12時) (レス) id: 7a7fe6581f (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ロゼオさん» わ〜!ありがとうございます!!また書きます!更新頑張りたいと思います、感謝です…!! (2020年4月1日 18時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼオ(プロフ) - とても面白かったです!こんな感じのちょい甘が好きなのでまた書いてくれると嬉しいです!煉獄さんの小説の更新頑張って下さい! (2020年4月1日 15時) (レス) id: dea7ecbd36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年1月20日 0時