15 おねだり ページ16
Aside
キスしたい気持ちは収まっていない。
私は炭冶郎ほどキスに飢えているわけではないのだけれど。
今日、キスせずに帰るなんて嫌。
その気にさせられたのに出来ずに終わるなんて悔しい。
ペンを走らせる。
課題なんて集中してしまえばすぐ終わるだろう。
20分後、ゆっくりと課題を閉まった。
やっとだ、やっと終わった。
重い荷物を下ろしたように肩の力が抜けていく。
「炭冶郎、終わったよ」
今度こそは。
私は炭治郎の方を勢いよく見た。
「おいで、お疲れ様」
今度は炭冶郎から抱き着いてくれる。
ソファの方まで導かれる。
座ったら全身がほぐれるような柔らかさだった。
「よし、俺がご褒美にキスをしてあげよう」
「炭冶郎がしたかったんでしょ」
嘘だ、自分がしたかった。
きっと炭治郎もしたかったのかもしれないけど
私は自分がキスを求めてるのはどことなく恥ずかしく思えてごまかす。
「なんだと、素直じゃない子にはご褒美あげないぞ」
すん、と匂いを嗅ぐ炭治郎。
ずるい、そんなのずるすぎる。
もしかしたらずっと確信犯だったんじゃ。
私がキスをしたかったのはやはり匂いでバレていたんだ。
弄ばれた、そう分かればもう怒りが出てきた。
けれどキスがしたい気持ちにすぐにかき消されていくのが悔しい。
「ほら言ってごらん、何してほしいの？」
優しいけどちょっぴり意地悪な笑みをする炭治郎。
私に覆いかぶさるように言われる。
このまま炭治郎に襲われてしまいそうな雰囲気で体がこわばる。
いつも天然でいるはずなのに急にこんなことされると
どうしたらいいか分からなくなってしまうではないか。
…また思う。
私は炭冶郎には敵わない、勉強も性格もなにもかも。
「……キス、してください」
口を開いた、目が合わせられない。
なんか嫌だ、毎回毎回、私は顔を赤くしてしまって。
醜態晒している気分だ。
「いい子、いい子……」
私の髪をとかすように頭を撫でて私にキスをしてくれる。
キスをした後、炭治郎はそのまま私にもたれる形で抱き着く。
「はぁ…幸せな溜息が出てしまう」
炭冶郎はうっとりとした顔でこちらに向き直る。
「…炭冶郎、私がキスしたい気分だって知って焦らしたでしょ」
気になっていたことを聞く。
炭治郎は顔を逸らす、お決まりの行為だ。
「…勉強頑張ってからのご褒美のキスは格別じゃないか？」
そんなこと言われてしまったらちょっとした怒りは消えて逆にもっと好きが増えていった。
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シノブ(プロフ) - ヤバイヤバイめっちゃドキドキしました！！ドキドキをくれてありがとうございます<(_ _)> (2022年4月9日 9時) (
レス) @page42 id: 1ffddb9be4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ぽぽぽぽぽさん» コメントありがとうございます！甘い炭治郎が書けて良かったです！ (2020年5月22日 9時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽぽぽ - ごはぁ！（炭治郎にやられた音）面白いです！ (2020年5月7日 12時) (レス) id: 7a7fe6581f (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ロゼオさん» わ〜！ありがとうございます！！また書きます！更新頑張りたいと思います、感謝です…！！ (2020年4月1日 18時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼオ(プロフ) - とても面白かったです！こんな感じのちょい甘が好きなのでまた書いてくれると嬉しいです！煉獄さんの小説の更新頑張って下さい！ (2020年4月1日 15時) (レス) id: dea7ecbd36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわむにゃ | 作成日時：2020年1月20日 0時
