7 敵わない ページ8
Aside
「Aっ」
授業が終わり炭治郎に手を引かれ、あの空き教室へ連れて行かれる。
さっきのキスのことだ、恥ずかしくて目を合わせられない。
「うぅ…恥ずかしい、さっきのことは全部忘れて!!」
「……わ、忘れられるわけがないだろ…!」
炭治郎に腕を引っ張られた。
おかげで距離が近づく、今は匂いを嗅がないでほしい。
何も言えなくて黙っていると炭治郎が私に尋ねる。
「なんでキスしてくれたんだ?いつもは俺からなのに急に……」
言いたくなかった、できれば気づいて欲しいけど炭治郎は少し鈍感なところあるからなぁ。
「……炭治郎、言わなきゃ駄目?」
炭治郎も顔が赤く染まっている。
お互いに照れあっているのが分かるとなんか安心するけど、よりお互いを意識し合ってしまう。
私はゆっくりと口を開く。
「い、いつも炭治郎からしてくれてたからお返しというか…私も炭治郎が好きだよって想いを伝えたかったの、それに炭治郎の反応が見たくって…」
そう言えば炭治郎は照れ笑いをする。
私が照れているのはしょっちゅうだけれど炭治郎がこんなに照れているのは
やっぱり新鮮だしこちらもどきどきする。
「…なんか照れくさいし、そう言われるととても嬉しいな」
「………!」
炭治郎は私の腕を引いたまま、抱き寄せてくれる。
さっきからどきどきしっぱなしで落ち着かない。
キスをするときみたいに顔が近くなり炭治郎は照れつつも微笑んでくれた。
頭のてっぺんから髪をするりと撫でられて、炭治郎の右手が私のうなじの位置に移動していく。
立ってキスするのは若干身長差があるので炭治郎は私を上手く誘導してくれた。
ああ、これだこの感じ…いつのまにか炭治郎のペースに呑まれる。
炭治郎はきっと余裕が無いと思うのに随分と動作が落ち着いていた。
「…………」
「…………」
…このままキスされる。
炭治郎がキスしてくれる。
ずっとそう思って待っているのに炭治郎は一向にこっちへ来てくれない。
なんでだろう、このまま見つめ合ってるのは私の心臓が持たない。
ん…?もしかして炭治郎は私からのキスを待っているのでは…?
急に事を理解したら炭治郎は笑う。
少し心を弄ばれた……今の私、完全に炭治郎を待っていた。
キス待ち顔を自然にさせられていたと思うと随分上手くはめられてしまった。
「A、キスしてくれないのか…?」
「…………っ!!」
私はキスも勉強も優等生な炭治郎に到底敵わない。
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シノブ(プロフ) - ヤバイヤバイめっちゃドキドキしました!!ドキドキをくれてありがとうございます<(_ _)> (2022年4月9日 9時) (レス) @page42 id: 1ffddb9be4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ぽぽぽぽぽさん» コメントありがとうございます!甘い炭治郎が書けて良かったです! (2020年5月22日 9時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽぽぽ - ごはぁ!(炭治郎にやられた音)面白いです! (2020年5月7日 12時) (レス) id: 7a7fe6581f (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ロゼオさん» わ〜!ありがとうございます!!また書きます!更新頑張りたいと思います、感謝です…!! (2020年4月1日 18時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼオ(プロフ) - とても面白かったです!こんな感じのちょい甘が好きなのでまた書いてくれると嬉しいです!煉獄さんの小説の更新頑張って下さい! (2020年4月1日 15時) (レス) id: dea7ecbd36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年1月20日 0時