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捌 笑みをこぼせば ページ9

Aside


さっき来てくれた方は炭治郎の所属している鬼殺隊で階級のもっとも高い柱の方らしい。

私はまだ知識が足りなくて彼女がどれほど凄い方なのかしっかりとは理解できてなかったが、
雰囲気と女神のような抱擁力で痛いほど痛感した。


「炭治郎、本当にありがとう、名前…入れてくれたんだね」


お守りをじっくりと見る。
藤の花の可憐な香りと素敵な刺繍…。
私は嬉しさのあまり笑顔になり炭治郎に向き合った。


「うん、これは俺が作ったAだけのお守りだ!」


誇らしげに鼻を鳴らし、私をじっと炭治郎は見た。


「…A、初めて俺に笑ってくれたな!」

「えっ………」


自分でもびっくりだ。


「良かった、俺は嬉しいっ!A!」


自分自身に驚いていたら、さらに炭治郎が布団の上に座り込んでいる私を急に抱きしめた。


「うん、兄ちゃんは嬉しい…嬉しいっ……!」


炭治郎はやけに嬉しそうに笑ってぎゅっと私を抱きしめ撫でる。
兄ちゃん?炭治郎は私の兄じゃないけど…。


「炭治郎は私の兄じゃないよ…?」

「なに言ってるんだ!Aは家族と同じぐらいに大切にしたいんだ…!」


炭治郎があまりにもおおげさに喜んでくれるものだから、私もつい可笑しくなり、
もっと笑ってしまう。


「ふふっ…」

「ちょっと不安だったんだ、Aは俺のこと嫌いなのかもって…」

「嫌いなわけないよ、恩人だもの」


さっきのしのぶさんが言っていたことが分かった。

…私、炭治郎をまだ疑ってた。
最初からいままでずっと優しく接してくれてたのに。

妹が鬼だから炭治郎も鬼であとで私も喰らうのではとか思ったり、
言うことは聞いていて、優しいなと思ったけど、絶対裏があるのかな…なんて
思ったりしていたのかもしれない。


「そうか、良かった〜…、ゆっくりでいいんだ、俺のこともっと沢山知ってほしい」

「うん」

「Aのことももっと知りたいんだ、俺がAの面倒を見ると決めた以上、俺はお前のことをずっと家族のように大切にしたい………」

「…うん」


家族を失った私からしたら何よりも心強い言葉だった。

やっと抱きしめるのをやめ、炭治郎はにこにことこちらに笑いかけた。

後に知った話だが、私と炭治郎は同い年だったらしい。


「どこかであったことがあるような…」


なんて炭治郎は訳の分からないことをぼやいたり、


「じゃあ、俺はお兄ちゃんになれないのでは…!」


などと言っていて、またまた笑ってしまうのであった。

玖 これからとその先→←漆 あなたは稀血



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:恋愛
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月3日 18時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 初めまして(^^)炭治郎大好きなので、甘々で炭治郎書いてほしいですー!R18全然okです! (2021年10月6日 20時) (レス) @page33 id: e19d285429 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 佳子さん» コメントありがとうございます!R指定されない程度に甘めの話を書きました、読んでくださりありがとうございます! (2020年5月2日 2時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
佳子 - R18系好きです (2020年5月1日 18時) (レス) id: a5a970a27b (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 桐葉さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます! (2020年1月2日 20時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年8月16日 18時

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