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伍 暗い夜 ページ6

Aside


お茶を飲み終えた後、炭治郎はご飯を作ってくれ、沢山私を労わってくれた。


「俺、いつもは任務あるからなんか新鮮なんだ」


少しどぎまぎしつつも炭治郎は布団に居るだけの私と会話を作る。
炭治郎は私が落ち着くまでいろんな話を聞かせてくれたのだ。

炭治郎は鬼殺隊という鬼を倒す部隊にいて愉快な仲間がいること…
炭治郎がどうして鬼狩りになったかの理由…いろんな話を聞いた。

炭治郎も私と同じような思いをしてたのだと感じると胸が痛かった。
自分自身の今の苦しみと炭治郎が前から味わっていた苦しみ…。
軽い気持ちでは語れない話もしっかりとしてくれた。

そして何よりも驚いた話は炭治郎に鬼の妹がいるということだ。


「…鬼って聞くと思い出させてしまうかもしれないが、俺の妹は違うんだ」


最初はとても信じがたかった。
しかし、炭治郎が鬼狩りの道に進んだ理由や今まで起きた出来事を話してくれたおかげで、
私も受け入れようと心から思った。

彼の家族愛には驚かされた。
自分は家族になにかしてあげたのだろうか…。

話をしているといつの間にか夜がやってきた。
夕飯も食べ、風呂にも入り寝る時間が近づいてきた。
昨日の出来事を消そうと思えば思うほど頭の中に浮かんでくる。
昨日は気を失ってたから意識などする余地も無かったが、

今日は違う。

……まだ全然怖い。
夜が苦手になってしまった。
いつ来るか分からない恐怖。

鬼は夜に行動が活発になる。
聞かされて困惑したし、なにより部屋が明るくても外が暗いのだ。

夜の暗さと鬼の恐怖が心拍数を徐々に上げてるのだろうか。
冷や汗も少しかいてきたようだった。


「…A、大丈夫か?…やっぱり怖いよな」

「ううん…我慢する」


夜寝るときに炭治郎は私の顔を覗きこんだ。


「何言ってるんだ、こういう我慢はしちゃいけないぞ」


そう言うと炭治郎は自分の布団をこちらに持ってきた。


「…俺が隣で寝てもいいか?」


急な問いに少し驚いた。


「えっ、」

「あ、嫌だったらいいんだぞ!でもちょっと俺も一人で寝かせるのはかわいそうだし心配だし…」

「…そんなことないよ、近くにいて…まだ少し怖くて」


素直に甘えることにした。
いつもなら強がっちゃってたかもしれないけど。

しなくていい我慢もあるって知っていたが炭治郎に迷惑をあまりかけたくなかった。

でも一人の夜より二人の夜の方がずっと優しくて明るい気がした。

陸 軽く羽のよに→←肆 お茶を飲んで



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:恋愛
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月3日 18時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 初めまして(^^)炭治郎大好きなので、甘々で炭治郎書いてほしいですー!R18全然okです! (2021年10月6日 20時) (レス) @page33 id: e19d285429 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 佳子さん» コメントありがとうございます!R指定されない程度に甘めの話を書きました、読んでくださりありがとうございます! (2020年5月2日 2時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
佳子 - R18系好きです (2020年5月1日 18時) (レス) id: a5a970a27b (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 桐葉さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます! (2020年1月2日 20時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年8月16日 18時

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