肆拾肆 頑張ること ページ45
炭治郎side
家の中に入る。
何週間ぶりだろうか。
俺が長い間いなくて不安で寂しい思いをさせてしまって申し訳ない。
玄関を上がり、部屋で禰豆子を寝かしつけた後に俺はAと抱きしめあう。
「A…会いたかった」
「うん、私も…炭治郎、温かいね」
「鬼も倒して頑張ったんだからもっと俺に甘えていいんだぞ」
「一番頑張っているのは炭治郎だよ」
しのぶさんや冨岡さんには気を遣わせてしまった。
あの後、二人の後をついて行くのはさすがにできなかった。
まず、Aの安否が凄く心配だった。
そして仮について行っても東に向かった鬼は強いらしい、十二鬼月に匹敵するかもしれない…かなり激しい戦いで体を酷使した俺が居ても柱の足手まといになるかもしれなかった。
「私、もっと鍛錬しなきゃだね」
「鬼を倒せたじゃないか」
Aは俺と抱き合うのをやめ、俺の顔をしっかり見た。
「今日久しぶりに鬼に会って足は竦んだし、焦ってしまった…このままじゃ炭治郎がもっと強くなって今よりもっと長い任務に出かけてしまったら私は精神的にも身体的にもつぶれてしまう」
「……!」
「私にとって炭治郎は恋人でもあるけど憧れでもあるんだ、もっと私も強くなりたい」
「いいことじゃないか、でも俺よりは強くさせないぞ」
Aに強くなられたら俺はもうAを守れなくなってしまう。
どんな強敵が来てもAを守れるように鍛錬をもっとするのは俺の方だ。
「俺はAを守り抜くって決めたんだ」
久しぶりに嗅いだAの匂い。
さっき見つけたあのクチナシという花に似た匂い。
甘くふんわりとした上品な匂い。
また抱き直す。
俺は戦いの疲れでぼろぼろだけどそんなことも気にならない。
…でも今回はやはり俺は未熟だったから最後まで戦い抜けなかった。
体で痛む部分もあるしまだまだだ、もっと強くなってAを守って禰豆子も助ける。
しっかりと心の中で複雑になっていた気持ちを上手くまとめ、
Aを抱きしめると共に決意した。
「そういえば気になっていることがあるんだ、Aからはクチナシという花に近い匂いがするんだが…いつも俺はその匂いに魅了されてるようで、心地よくなってしまうんだ」
「…!、私、昔に住んでた家でクチナシを育てていたんだ。両親が好きで自然と私も好きになった花の一つで……」
だから家の近くに…。
あまり日が当たらなく寒そうで通常なら枯れてしまうはずなのに強く咲いて…Aのようだ。
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月3日 18時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 初めまして(^^)炭治郎大好きなので、甘々で炭治郎書いてほしいですー!R18全然okです! (2021年10月6日 20時) (レス) @page33 id: e19d285429 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 佳子さん» コメントありがとうございます!R指定されない程度に甘めの話を書きました、読んでくださりありがとうございます! (2020年5月2日 2時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
佳子 - R18系好きです (2020年5月1日 18時) (レス) id: a5a970a27b (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 桐葉さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます! (2020年1月2日 20時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年8月16日 18時