肆 お茶を飲んで ページ5
Aside
昨日の夜は悪夢だと思いたかったが現実だった。
彼の目は嘘をついていなかった。
今日、朝起きて彼の顔を見て確信した。
私は両親を失ったと。
彼が察してくれたのか、優しく私を励ましてくれた。
辛くって、涙が流れそうで…なのに強がっちゃって。
なんで町に遊びになんか出かけたのだろう。
ものすごく後悔をした。
たらればを繰り返して頭の中が可笑しくなっていた。
泣いて泣いて泣いて、泣き疲れてしまった。
落ち着いて、私から抱擁をやめると彼はあたふたし始めた。
「…もういいのか？」
「えっ、うん…もう泣き疲れっちゃったので」
「そうか…困ったらいつでも頼ってくれ」
頭をゆっくりと撫でられる。
大きな温かい手…、父のようだ。
「俺はお茶を淹れてくるからそこで待っていてくれ」
「…分かりました」
彼は部屋を出て、お茶を淹れに行った。
これから私はどうなるんだろう。
両親がいなくなってしまった現実を受け入れたが、そしたらもう私は一人だ。
どこで生きていく？
ここにずっと居座るなんてとても迷惑だ。
お金は遊びに出てしまったせいで何銭あるか分からない。
「お茶を淹れてきたぞ」
「炭治郎さん…ありがとうございます」
「さっきからよそよそしいけど、俺のことは炭治郎でいいぞ？俺も呼び捨てで呼ぶからな」
温かいお茶に口をつける。
湯気がとても気持ち良かった。
「でもそんな、恩人なので…」
「何を言ってるんだ。これからずっと一緒じゃないか」
これからずっと一緒…？
意味がすぐには理解できなかった。
「え、それってどういう…」
「…俺たちと暮らすってことだぞ？」
「え、あ…何言ってるんですか、そんなの迷惑です…！」
急に彼はしゅんと肩を落とした。
それと同時に彼がどう解釈したのかに気づく。
言葉を間違えたようだ。
「…め、迷惑だったか」
「いや、違います！！そういう意味じゃなくて、炭治郎さんが迷惑しちゃうって意味です！」
「さん付け…」
「た…炭治郎！迷惑なんかじゃないです、むしろこちらとしたらありがたいので…！」
その言葉を聞いた彼、炭治郎は顔が笑顔に戻った。
「良かった…、俺はAを守るって決めたんだ、ありがとう」
「…感謝したいのはこちらです」
笑ってはいるけどどことなく悲しい感じもした。
両親が死んだことの責任を感じてるのかな…。
私は彼のように笑える元気は無かったけど、心に少し余裕が出来た。
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月3日 18時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 初めまして(^^)炭治郎大好きなので、甘々で炭治郎書いてほしいですー！R18全然okです！ (2021年10月6日 20時) (レス) @page33 id: e19d285429 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 佳子さん» コメントありがとうございます！R指定されない程度に甘めの話を書きました、読んでくださりありがとうございます！ (2020年5月2日 2時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
佳子 - R18系好きです (2020年5月1日 18時) (レス) id: a5a970a27b (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - 桐葉さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます！ (2020年1月2日 20時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわむにゃ | 作成日時：2019年8月16日 18時
