優しさに溺れよう【竈門炭治郎】

拾伍 炭治郎のこと ページ16

Aside


善逸くんが今外で見張りをしてくれている。
心強いな…。

少し申し訳ない気がするけど、お言葉に甘えることにした。

今日は善逸くんといろいろ話したけど面白かったな。
善逸くんは口ぐちにこう言っていた。


「炭治郎に救ってもらえてよかったな」


最初はあまり意味を明確に理解はできなかった。
炭治郎がただ単に優しいからだと思っていた。
炭治郎と一緒に過ごしていてとても感じていたし。


「炭治郎はいい奴だぞ、女の子にモテるのはちょっと腹立つけど仲間を見捨てたりしないし、なによりも努力家なんだよな〜、誰に対しても優しいしな〜」


私が知らない鬼殺隊の炭治郎。
教えてくれたことでより炭治郎のことを知りたくなってしまう。

もう外は真っ暗だ。

きっと外は星でいっぱいなんだろうな。
稀血だと分かってから夜の活動は制限されたし、夜の外はあれ以来眺めていない。
またよみがえってきてしまうだろうし……。

布団の中でゆっくり呼吸をすると自然とすんなり眠ることができた。








そして、深夜が過ぎ、段々と明け方になりそうな頃、
目覚ましにはちょうどいい、大きな叫び声が聞こえた。


「うわぁあああああ、落ち着いて、落ち着いてってばぁ！」


…善逸くん？なにかあったのだろうか？
寝ぼけていていまいち分からない。
時刻は三時ぐらいだろうか。

鬼…？
でもそんな感じでもない。
外の方から声が聞こえる。


「お前、何してるんだ？まさか、俺の…」

「はぁ？んな訳ないでしょ、俺は見張り…」


炭治郎？帰ってきたの？
玄関付近でそわそわしていると、思いっきり扉が開いた。


「A……！！」

「炭治郎……！？」

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