21 異変 ページ22
Aside
はあ…。
こんなことになったのは自分のせいだ。
自分でここに居座るだなんて決めといて、日和とジュンに気を遣わせるはめになってしまった。
本来、見出されてここに来てるのにこんなの本末転倒。
いつか捨てられてしまうのではないか…。
本を読む手をひたすら進めて気を紛らわす。
ガチャ……
ドアが開く音、多分日和。
買い物から帰ってきたんだ……。
ああ、気まずい…。
同い年のジュンとはルールが決まってからもなんとか話せてるけど、
日和とはなかなか話せていない。
目も合わせることが出来ない自分がホント憎い。
「おひいさん、お帰りなさい」
「……ただいま、ジュンくん」
ジュンは日和の着ていたコートを受け取りハンガーにかける。
「そういえばAさんが今日は久しぶりにキッシュ作ってくれるらしいっすよ」
「そう……」
「あ、もちろんサーモン入りですよぉ♪今回はいちからAさんが作るんですよ、オレも楽しみで…♪…そういえばおひいさん、ナギ先輩から連絡ありませんでした…?…、…おひいさん?」
ジュンの声色が変わる。
それと同時に私は気になって本を閉じ、日和に視線を送った。
「んっ………」
日和は下を見つめていたが数秒してふらりと体が傾いた。
今にも倒れそうだが椅子に座る私には何も出来ない。
無力さを感じた瞬間、日和の近くにいたジュンが手を伸ばす。
「おひいさんッ…!!」
ジュンが慌てて日和の体を支える。
「っ…はぁ………」
すごく息が荒い。
「あんた、熱あるじゃないですか……」
ジュンはおひいさんを腕の中にかかえ、安心しながらも不安そうな声色で呟いた。
私はすぐさま椅子から立ち上がり、日和の顔を覗きこむと、
日和の顔は熱さによって頬が色づけられ、黄緑の艶やかな髪から汗が零れた。
「キッシュはおあずけっすかねぇ…」
ジュンはまた呟いた。
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ふわむにゃ(プロフ) - ゆゆさん» 恐縮です…!有難うございます…(T_T) (2019年4月25日 18時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - めっちゃ面白かったです!おひぃさん好きなのですごく嬉しかったです!これからも頑張ってくださいね! (2019年4月22日 20時) (レス) id: 7a65a72ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 有難うございます…!更新頑張りたいと思います。(^^ゞ (2019年2月9日 22時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 頑張ってください! (2019年2月9日 21時) (レス) id: e4352aec9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年1月27日 1時