検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:125,426 hit

21 異変 ページ22

Aside


はあ…。
こんなことになったのは自分のせいだ。
自分でここに居座るだなんて決めといて、日和とジュンに気を遣わせるはめになってしまった。

本来、見出されてここに来てるのにこんなの本末転倒。
いつか捨てられてしまうのではないか…。

本を読む手をひたすら進めて気を紛らわす。


ガチャ……


ドアが開く音、多分日和。
買い物から帰ってきたんだ……。
ああ、気まずい…。
同い年のジュンとはルールが決まってからもなんとか話せてるけど、
日和とはなかなか話せていない。
目も合わせることが出来ない自分がホント憎い。


「おひいさん、お帰りなさい」

「……ただいま、ジュンくん」


ジュンは日和の着ていたコートを受け取りハンガーにかける。


「そういえばAさんが今日は久しぶりにキッシュ作ってくれるらしいっすよ」

「そう……」

「あ、もちろんサーモン入りですよぉ♪今回はいちからAさんが作るんですよ、オレも楽しみで…♪…そういえばおひいさん、ナギ先輩から連絡ありませんでした…?…、…おひいさん?」


ジュンの声色が変わる。
それと同時に私は気になって本を閉じ、日和に視線を送った。


「んっ………」


日和は下を見つめていたが数秒してふらりと体が傾いた。
今にも倒れそうだが椅子に座る私には何も出来ない。
無力さを感じた瞬間、日和の近くにいたジュンが手を伸ばす。


「おひいさんッ…!!」


ジュンが慌てて日和の体を支える。


「っ…はぁ………」


すごく息が荒い。


「あんた、熱あるじゃないですか……」


ジュンはおひいさんを腕の中にかかえ、安心しながらも不安そうな声色で呟いた。

私はすぐさま椅子から立ち上がり、日和の顔を覗きこむと、
日和の顔は熱さによって頬が色づけられ、黄緑の艶やかな髪から汗が零れた。


「キッシュはおあずけっすかねぇ…」


ジュンはまた呟いた。

22 熱を帯びて→←20 読書



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
275人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , Eve , Eden   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふわむにゃ(プロフ) - ゆゆさん» 恐縮です…!有難うございます…(T_T) (2019年4月25日 18時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - めっちゃ面白かったです!おひぃさん好きなのですごく嬉しかったです!これからも頑張ってくださいね! (2019年4月22日 20時) (レス) id: 7a65a72ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 有難うございます…!更新頑張りたいと思います。(^^ゞ (2019年2月9日 22時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 頑張ってください! (2019年2月9日 21時) (レス) id: e4352aec9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年1月27日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。