もう離れないで【zm】 (ページ2)

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一話ページ2

「おめでとうございます。妊娠5週目ですよ。」

頭が真っ白になった。今月は予定日を2週間過ぎても生理が来なかったため念の為病院に行ったら、妊娠。
正直心当たりはある。1ヶ月くらい前だろうか。行為の最中恋人が「ゴムを忘れたからできない」といった。
でも、いいところだったしここでおじゃんにしたくなかった私は咄嗟に
『薬飲んでるから大丈夫。』と言ってしまったのだ。

完全に私たちの知識不足と危機感のなさが原因だ。

「どうされますか。生みますか。」

医師が問うた。もちろん答えはイエスだ。私たちのせいで尊い命をあやめることなんてできない。

『はい。ですが、産むのも育てるのも私1人で行います。』

医師は一瞬驚いた顔をしたがすぐ元の顔に戻り「そうですか」とだけ呟いた。
彼、恋人とは別れることにした。

私が彼と別れ、1人で育てることにしたのは理由がある。
1番大きな理由は私と彼はまだ大学生だということだ。
一流大学に通う彼、お世辞にも頭がいいとは言えない私立大学に通う私。これからの将来が期待されている彼の重荷にはなりたくなかった。

でも、こんなのただの言い訳にすぎない。本当は彼に嫌われたくなかっただけだ。