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「A!」
私を呼ぶ声に顔を上げると、そこには司波がいた。
すぐにしゃがんで私に視線を合わせてくれる司波は、少し息が切れていた。
『え、司波…?なんでここに、』
「それはこっちのセリフだ。電話かけても繋がんねえし…。」
『いやぁ…、ごめんね。スマホの充電なくなっちゃってさ。まさか散歩で迷うとは私も思わなくて…。』
笑いながらそう言ったら、司波は私を抱きしめてきた。
「…心配した。なんか事件に巻き込まれでもしたんじゃねえかって…。」
司波からため息が聞こえてきて、そのまま腕の力が少し強められる。
…不安に、させちゃったな。こないだ意気込んだばかりなのに。
『…司波、ごめんね。』
「無事ならいい。そんな何回も謝るな。」
『…うん、ありがとう。』
「…帰るぞ。」
私を離して司波が立ち上がったので、私も一緒に立ち上がる。
さっきまで感じていた重苦しさは、もうどこにもなかった。
司波が私を見つけてくれたおかげだ。
『…司波、ほんとにありがと。』
「気にすんな。」
「ん。」
司波の手が目の前に差し出されたので、手を繋ぐのかと思ってそこに私の手を重ねる。
「…違う、そうじゃなくて…。」
『え?…あ、』
指を絡められる。いわゆる恋人繋ぎだ。
そのまま私の手の甲にキスをされて、思わず顔に熱が昇る。
『ちょ…、司波!?』
「これくらいでそんな照れんなよ。もっとすげえことしてんだろ、俺達。」
揶揄うように笑う司波に、余計に恥ずかしくなる。
やっぱこの司波と一緒じゃ心臓持たないな…、と改めて感じた。
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ふろる(プロフ) - 鶯 御飴さん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて本当に嬉しいです。話もいいところで更新止めてしまって、本当申し訳ないです…。立て込んでるのはなんとかなりそうですので、もう少々お待ちいただけると幸いです。 (3月28日 21時) (レス) @page20 id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - ふろるさん» そうなんですね…。このお話好きなので少し残念ですが、更新気長に待ってますね。 (3月8日 7時) (レス) @page20 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - ぽちゃ丸さん» コメントありがとうございます。本作は結構作者の幻覚と捏造が強めなので、好きと言っていただけて嬉しいです。今後もぽちゃ丸様の飽きが来るまででいいので、作者の幻覚に付き合っていただきたいです。 (2月6日 23時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ丸(プロフ) - ふろるさんが書く作品好きです😌これからも応援してます‼️無理のないよう更新頑張ってください☺️ (2月5日 18時) (レス) @page14 id: f401cfaf3e (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - 桜神さん» コメントありがとうございます。ちまちまですが更新続けていきますので今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2月3日 21時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふろる | 作成日時:2024年1月24日 23時