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「…えっ、仁!?おま、お前、かっ彼女いたのかよ…!?」
「あーうるせ、だから黙ってたんだよ…。」
「落ち着け瑠衣、そんなに騒ぐんじゃない。」
「逆になんでおっさんはそんなに落ち着いてんだよ!?」
「それは…、前から知っているからな。」
「じゃあ知らなかったのオレだけかよ!?」
『…賑やかだなあ…、はは…。』
どうしてこうなったのか、時は今朝まで遡る__。

朝ご飯を食べ終えて、事務所に戻る司波を送り出そうと思っていると、甘えたな声がかかった。
「…帰りたくねえ。」
『えぇ?急にどしたの。』
「Aと離れたくないんだよ…。」
そう言って私に抱きついて肩に顔を埋めてくる司波。
人に弱みを見せたがらない司波が甘えてくれるのは嬉しいけど、ドキドキが止まらなくて困るな…。
「…今日も仕事休みっつってたよな?」
『え?うん。』
「事務所来いよ。Aが来るなら俺も事務所帰る。」
『ん〜…、まあどうせ今日特にすることもなかったし…。いいよ。』
と、快諾してしまった。
そして事務所に来てすぐ、瑠衣くんに昨日できなかった初めましての挨拶をしたとき。
司波の高校の先輩だって自己紹介をしたら、ただの先輩の家に泊まるか?って気づかれて冒頭に戻る。
「…すまないなAさん、瑠衣が騒いで…。」
『いえいえ大丈夫ですよ。あ、昨日は気を利かせていただいてありがとうございました…。』
深々とお辞儀をすると、気にしなくていいと返された。
杖道さん、大人の余裕があって本当かっこいいな。
司波と付き合ってなかったら好きになってたかも、なんてね。
「Aさんには私がいなかった間も今も仁を支えてくれている礼をしたいからな、これ位させてくれ。」
『そんな、礼だなんて…。それを言ったら今までの1年間、私の代わりに司波を支えてくれたのは杖道さん達じゃないですか。』
「…ああ、それもそうか。」
どこか辛そうな眼をして司波と瑠衣くんの言い合いを見ている杖道さん。
詳しいことは知らないけど、杖道さんは司波の前からいなくなったときのことに責任を感じているらしい。
でもきっと2人の間にある信頼は本物だし、今更何も気にする必要ないんじゃないかなって部外者の私は思うんだけど、そういう問題じゃないのかもしれないし。
今の私にできることは、司波の側にいて支えてあげること。

なーんて考えていると、いつのまにか司波が私の目の前に立っていた。
『ん、司波?…っ!?』

…一瞬の静寂が訪れた事務所に、リップ音が響いた。

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ふろる(プロフ) - 鶯 御飴さん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて本当に嬉しいです。話もいいところで更新止めてしまって、本当申し訳ないです…。立て込んでるのはなんとかなりそうですので、もう少々お待ちいただけると幸いです。 (3月28日 21時) (レス) @page20 id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - ふろるさん» そうなんですね…。このお話好きなので少し残念ですが、更新気長に待ってますね。 (3月8日 7時) (レス) @page20 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - ぽちゃ丸さん» コメントありがとうございます。本作は結構作者の幻覚と捏造が強めなので、好きと言っていただけて嬉しいです。今後もぽちゃ丸様の飽きが来るまででいいので、作者の幻覚に付き合っていただきたいです。 (2月6日 23時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ丸(プロフ) - ふろるさんが書く作品好きです😌これからも応援してます‼️無理のないよう更新頑張ってください☺️ (2月5日 18時) (レス) @page14 id: f401cfaf3e (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - 桜神さん» コメントありがとうございます。ちまちまですが更新続けていきますので今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2月3日 21時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふろる | 作成日時:2024年1月24日 23時

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