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『…司波って、水族館で魚美味しそうって言うタイプ？』
「急になんだよ。」
『いや、だってさ…。』
目の前の悲惨な状況に、もう一度目を向ける。
かわいい猫を模ったスイーツが、真っ二つになっている。
こうした犯人は、当然向かいに座っている司波だ。
写真を撮った後、司波に一口あげるって言った後だから非難する理由もないけど、でも。
『これは…、かわいそすぎるって…。』
「どうせ食うんだから、かわいそうも何もねえだろ。」
『それはそうなんだけどさ…。あ、』
目の部分が容赦なく抉られ、司波の口へと運ばれていく。
「ん、うまいぞこれ。Aももったいぶらずに食えよ。」
『え〜…、まあ、ここまで崩れちゃったらいっか。ごめんね〜、…わ、おいしい！』
「だろ？」
あまりのおいしさに、ほっぺが落ちそうってこういうことかと実感する。
夢中になって味わいながら食べていると、こちらを見つめていた司波とふと目が合う。
『…食べたい？』
「いや、さっきので十分。ただ見てるだけだ。」
そう言う司波は随分と楽しそうで。
何がそんなに楽しそうなのかと不思議に思っていると、ふと司波から同じことを言われたことがあるのを思い出した。
私の手料理を食べる司波を見ていたら、「そんな見てて楽しいか？」ってね。
あのときは、人並み程度の料理なのに随分美味しそうに頬張る司波がかわいくて、いっぱい食べてくれるのが嬉しくて、満たされた気持ちだった。
このスイーツは当然司波が作った訳じゃないけど、司波の奢りという話で食べに来ている。
…似たような気持ちなのかな、あのときの私と。
そう思うとなんだかくすぐったいような嬉しさがあった。
『…ふふ、』
「なに笑ってんだよ。」
『いや、なんでも…。今度また、ナポリタン作ってあげるね。』
「急だな…、ま、頼む。」
素直にお願いしてくる司波はあの頃とは大違いだなあ、とか。
学生時代はツンデレだったからさ、司波は。
加えてポーカーフェイスなものだから、本当に司波は私のこと好きなのかって疑っちゃったこともあるけど、色々あって大切にされてるって実感したからもう疑わない。
『ごちそうさまでした…、おいしかった…。』
「良かったな。もう少しゆっくりしてから行くか？」
『うん、そうする。そういえばさ…、』
他愛のない話を始めると、司波は優しい表情で聞いてくれる。
＿＿＿遠くから私達を見張る目には、いまだ気づけずにいた。
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ふろる(プロフ) - 鶯 御飴さん» コメントありがとうございます。好きと言っていただけて本当に嬉しいです。話もいいところで更新止めてしまって、本当申し訳ないです…。立て込んでるのはなんとかなりそうですので、もう少々お待ちいただけると幸いです。 (3月28日 21時) (
レス) @page20 id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - ふろるさん» そうなんですね…。このお話好きなので少し残念ですが、更新気長に待ってますね。 (3月8日 7時) (レス) @page20 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - ぽちゃ丸さん» コメントありがとうございます。本作は結構作者の幻覚と捏造が強めなので、好きと言っていただけて嬉しいです。今後もぽちゃ丸様の飽きが来るまででいいので、作者の幻覚に付き合っていただきたいです。 (2月6日 23時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ丸(プロフ) - ふろるさんが書く作品好きです😌これからも応援してます‼️無理のないよう更新頑張ってください☺️ (2月5日 18時) (レス) @page14 id: f401cfaf3e (このIDを非表示/違反報告)
ふろる(プロフ) - 桜神さん» コメントありがとうございます。ちまちまですが更新続けていきますので今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2月3日 21時) (レス) id: b337852acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふろる | 作成日時：2024年1月24日 23時
