王子の妹はクールビューティー２

96 ページ46

《Aside》



週が明けて、今日も仕事。

相沢さんに会いたくないけど、仕事だからしかたない。

あの日、臣さんはよく寝られなかったって言ってたな。

私はグッスリ寝れたんだけど(笑)



相沢「おはよう、ガンちゃん！」

『おはようございます』



コピー機の側にいたら、相沢さんが駆け寄って来た。



相沢「この前は送って行ってあげられなくてごめんね？」

『いえ、大丈夫です。もう2人でご飯に行くこともないんで』

相沢「え？」

『その気もないのに2人きりになるのはダメだよってお兄ちゃんに怒られたんで』



これは嘘。

お兄ちゃんの存在を出しておけば断りやすくなるから、お兄ちゃんを使わせてもらっただけ。



相沢「そっか…残念だな。でもあきらめないからね！」

『いや、あきらめてください』

相沢「俺の友達と一緒ならいいでしょ？」

『………無理です。カラオケを出た時にいた人たちのことですよね？』

相沢「え？」

『私が気付いてないと思ってます？』

相沢「な、なんのこと？」



目が泳いでるじゃん。

やっぱり相沢さんもグルだったわけね。



『とにかく、仕事以外で私に関わらないでください』

相沢「……ちょっと可愛いからって気取ってんじゃねぇよ。どうせコネと色気で仕事してんだろうが」

『………それが本性なんですね』

相沢「だったらなんだよ。他の人に助け求めてもムダだぞ？今まで何人も信じてもらえずに辞めていってるんだから」

『私の言うことを信じてくれる人がいないって本気で思ってます？バカなんですか？』

相沢「あぁ？」



私、理詰めにするの得意なんだよね。

そんな輩みたいな脅しで屈すると思うなよ。

97→←95

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す