王子の妹はクールビューティー２

82 ページ32

《Aside》



朝から気合いを入れて出勤した。

会社が近付いてくるのが憂鬱だなんて思ってても、もう会社は見えてきて、入口に見覚えのある人たちが立ってる。

なんでお兄ちゃんと臣さんがいるの？



「「おはよ〜」」

『…おはようございます』



スルーしようと思ったら話しかけられた。



岩田「一緒に職場まで行っていい？」

『なんで？』

岩田「兄としてあいさつしとかなきゃ」

『…まぁ100歩譲ってお兄ちゃんはわかる。なんで臣さんもいるんですか？』

登坂「お騒がせしてるから？」

『いやいや、私に聞かれても。…じゃあ失礼します』

「「いやいやいや！！」」

『…ちょっと目立つんで、大声出さないでください』

岩田「Aのせいでしょ！」

『はぁ(溜息)もうホントに行くよ？』



そう言って歩き出すと、私の後ろを付いてくるお兄ちゃんと臣さん。

ブルゾンちえみみたいになってるし、社員さんからはめっちゃ見られるし、なんか恥ずかしい(笑)

今日はあえて階段を上がってるんだけど、意外と疲れるわ…



登坂「いつも階段なの？」

『いえ、今日は2人が一緒だからです』

岩田「ごめんね〜(笑)」

『悪いと思ってるなら、今度ケーキ食べ放題に連れて行ってね』

岩田「え！俺だけ！？」

『臣さんは昨日の焼肉でチャラかな』

登坂「俺はAちゃんに会えるんだったら、どこでも行くよ？」

『え…』

岩田「引かないであげて(笑)」

登坂「俺に冷たいよね(笑)」

『そんなことないですけど』



話してる間に自分のデスクがあるフロアに着いた。

入社1ヶ月のペーペーが三代目のメンバーと一緒にいる光景は目立つみたいで、行き交う社員さんの視線が刺さりまくる。

83→←81

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す