王子の妹はクールビューティー２

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《登坂side》



ふと目を覚ますと、部屋が暗くなってた。

いつの間にかAちゃんのベッドで寝てしまったらしく、ベッドの上には俺1人。

デスクを見てもAちゃんはいない。



登坂「Aちゃんがいねぇ」

『………います』

登坂「うわっ」



ひとり言に返事があって驚く俺。

いつもより眠そうな声で、キュンとする。笑



『臣さんにベッド取られたんで、床に布団敷いたんですよ』

登坂「蹴落とされるのかと思ってた(笑)」

『さすがの私でもそんなことはしません』

登坂「だよね(笑)一緒に寝てもよかったのに」

『布団を敷くのがめんどくさくて悩みましたけど、明日から仕事なんで、熟睡のために布団を選びました』

登坂「そっか」



Aちゃんの中に少しでも一緒に寝るっていう選択肢があったことに、顔がニヤける。笑



登坂「今、何時？」

『夜中の3時です』

登坂「まだまだ寝れるな」

『そういうことで、おやすみなさい』

登坂「うん、おやすみ」



俺に背を向けて、また寝たAちゃん。

リビングとか他に寝れる場所はあったはずなのに、俺と同じ部屋にいてくれることがうれしい。

俺に懐いてんのか、懐いてないのか、わかりにくいけど(笑)


ガンちゃん曰く、懐いてくれてるらしい。

本心がわかりにくい子だけど、実はガンちゃんより優しいんだよね。

それは接していくうちに気付いたことで、仲良くなるまでは単純にクールだと思ってた。

俺より優しさが伝わりづらい損な性格してると思う(笑)

ホントのAちゃんを知ってから、ますます好きという気持ちは増していく。

Aちゃんが苦しい時に、頼られる場所になってあげられたらいいな。

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