【ONE PIECE】太陽に命を叫べ。 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:1,187 hit

第1話 ROMANCE DAWN 6 ページ7

エースside

『おれ、海賊王の息子なんだ』

ルフィが先に寝た夜。
満天の星空を眺めながら、おれはAに真実を告げた。

ほんの少しだけ拒絶されたらどうしようと怖くて、思わず顔を下に背けてしまう。

シンと静まりかえった後、ゆっくりとAは口を開いた。

A「そうなんだ…」

たった一言だった。
「それだけ？」と思って顔を上げると、Aはおれが顔を上げるのを待っていたかのように、じっと見ていた。

あまりにも真っ直ぐな視線に耐えれなくなって、おれは視線をそらした。

『…それだけかよ。おれは、鬼の子なんだぞ…生まれてきてはいけない…そういう存在で』

A「エースはバカなの？生まれてきてはいけない命なんてないんだよ」

ハッとしてAを見ると、少し怒ったような顔をしていた。

ゴソゴソと自分の服の中に手を入れたと思えば、首からいつも下げているロケットネックレスのロケットを開ける。

中には一枚の写真が入っている。

『え…この写ってるのって』

その写真は集合写真らしく、背が高く黒髪で青い瞳の男と金髪の女が黒髪の赤ん坊を抱いている。
となりには赤髪の青年とジジイ、ダダンに小さいルフィ、マキノ。

そして…。

A「この前、初めてこのロケットを開けた。そしたら、両親とシャンクスさん、じぃちゃんにルフィ……エース…が写ってた」

たくさんの人に囲まれておれは楽しそうに笑みを浮かべながら、小さなAの手を握っている。

A「エースが誰であろうと、エースはたくさんの人から愛されてるよ。もちろん、私もエースのこと大好き」

Aはおれの頬を親指でなぞる。

俺はいつの間にか泣いていた。

A「生まれてきてくれてありがとう。生きててくれて、ルフィと出会ってくれて、私と出会ってくれて…ありがとう。だから…生まれてきてはいけない存在だなんて、言わないで」

Aは、ぎゅっとおれを優しく抱き締めた。おれより小さな体で精一杯。

おれは涙が止まらなかった。

『おれ…も……！おれもAが…ルフィが大好きだ……っ』

ありがとう。
ありがとう、A。

こんなおれを…鬼の子のおれを認めてくれて、信じてくれて、愛してくれて…。

ありがとう。