27 優しさ。【蛍】 ページ29
蛍side
Aさんはつけ入るすきがない。
ふにゃっと笑う柔らかい表情とはウラハラに、
僕らの世話役としてこなすほどのまじめさ、体力、ストイックなとこ。
あのサプライズ、実は孤爪さんと赤葦さんが計画の発端だった。
……………回想…………………
「もうすぐ、俺らって同居し始めて三週間ぐらい経つんだね…」
Aさんがソファで寝落ちしてから、六人珍しく、
テーブルを囲み、
赤葦さんは宿題と向き合いながら、声を漏らす。
及川さんと岩泉さんも、もう１１時になろうとしているから寝ただろう。
で、鋭い言葉を発したのは孤爪さんだった。
「皆、意外とAのこと、なにかしら気にかけてるよね」
これはどういう意味で言ったのか分からない。
心配、大丈夫かなどの感情を意味したのか、
或いは、好き、可愛いなどの感情なのか…
狂いをみせないその表情からは読み取れない。
「まぁ、お世話役としてやってくれてるし、マネージャーの両立が大変だよね、多分」
白布さんは月バリをめくる手を止めて、会話に参加する。
「じゃあ、サプライズでもする？」
赤葦さんはさっきまで走らせていたシャーペンを止めて、僕らに向き合う。
「…料理とか作ってみたりしない？この前、すき焼き食べさせてくれたし。」
川西さんはいいねと身を乗り出し始める。
「１年組はどう？」
赤葦さんはもうすっかり、作業をやめて、こちらを向く。
「良いと思います、俺も感謝伝えたいし…」
国見は少し眠たそうだったが体制を整えた。
「僕もです、お世話になってますし」
僕も声を上げた。
「じゃあ、決まりだね……おやすみー」
孤爪さんは用が済んだらさっさと自分の部屋に戻り始め、
他も、わらわらと自分のするべきことに取り掛かる。
……………………………………
このサプライズをして、
Aさんが流した涙はとてもきれいな涙だった。
鍋を囲んだ時のぬくもりと優しさは忘れたくても忘れないんだと思う。
「蛍ーっ、分かった？ここのとことか…」
「…まぁ、分かりました」
「ま、まぁって何！？」
こうやって、勉強を教えてくれる優しさとか、
過保護すぎでしょ？
でも、これがAさんの優しさでもある気がする。
28 無関係。【賢二郎】→←26 いつも無気力なわけじゃない。
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銀河色。(プロフ) - 白鳥 瀬見さん» ありがとうございます！頑張ります(^O^)あと、修正しときます！ (2017年4月8日 18時) (
レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
白鳥 瀬見 - この作品面白いです！！後、白布は川西の事、太一って呼んでます！！ (2017年4月7日 14時) (レス) id: da698ccd83 (このIDを非表示/違反報告)
銀河色。(プロフ) - ララさん» ありがとうございます、更新頑張ります！ (2017年3月28日 8時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ララ - ものすごく面白いです！ (2017年3月28日 7時) (レス) id: a1951a6fe3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀河色。 | 作成日時：2017年3月21日 18時
