そして、 ページ5
＊
「もう長くないと思います」
…………長くないのは、知っていた。
眉を下げた、ナムジュン先生。
生まれた時から、わたしの担当医だ。
知っていた、けど、それは、
これまでわたし達の思っていたずっと向こうにある人より近いもの。ではなくて、もう目前まで来た「長くない」だった。
母親から受け継いだ悪種はわたしの全身に蔦を蔓延らせるのにお母さんほどの時間を要さなかったらしかった。
「……すみません、力不足です」
申し訳無さそうに俯いて言うナムジュン先生にそんなことないです、とは言えなくて
今迄頑張ってくれましたよ。も違うし。
言葉に詰まって。
そして、遂にはわたしは何も言えなかった。
そして、涙さえ出なかった。
＊
退院したわたしを、仕事と会社を休んで家で待っていた2人は
玄関まで来ていてわたしを抱きしめた。
病院まで来ないで欲しいとお願いしたのはわたし。
それなりにある距離をゆっくり歩きながら色んなことを考えた。
脳裏を埋め尽くす、テヒョンとジンくんに混じって。
「可愛くない」「懐かないから」“それに凄く手がかかる” “迷惑なの” “あのヒトと一緒”
声が聞こえる。
小さい頃、わたしにはならに傷を付け、尚も痕を残す、声。
……この世には、少なからず現代の医療では完治することのできない難病。と呼ばれる病気があって。
それを偶々患ったのが母親で、
それが偶々子供に遺伝する病気で
偶々母親から生まれたわたしが、バトンタッチの様にお母さんからそれを譲り受けた。
それだけの、話。
よくある話。
幼い頃は入院がちで、昔から三食、決まった時間に薬がないとまともに生活のままならない体だった。
それを知っているジンくんはいつも、「ちゃんと飲んだ？」と釘を刺す。
それにわたしは心配性だね、って笑う。
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しろい@ゾンビ(プロフ) - りんごさん» りんごさんコメントありがとうございます〜(；；) 涙を拭いに走りたいです。自分の書いたものを大好きだと言って頂けてとても幸せです…！ほんとにほんとに感謝感謝です！ (2019年9月29日 21時) (
レス) id: c91a121712 (このIDを非表示/違反報告)
しろい@ゾンビ(プロフ) - セジュンさん» ほんとはもっと、なんか、気持ちを伝えられたらいいのですがお許しください、全部終わったらまた帰ってきますのでその時はまたお会いできたら嬉しいな…！ほんとにほんとにありがとうございました！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: c91a121712 (このIDを非表示/違反報告)
しろい@ゾンビ(プロフ) - セジュンさん» セジュンさん、お久しぶりです………！ほんとは匿名の方でコメント頂いてからずっとずっと言いたかったのですが、とても遅くなりました、合格おめでとうございます……！ご報告頂いた時何故か自分もすごく嬉しかったです(；；) (2019年9月29日 21時) (レス) id: c91a121712 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - しろいさん、やばいです、このお話。泣きすぎて目がパンパンだし、鼻水止まらないし、本当にやばいです。とても感動しました。大好きです、この小説。これからも応援してます。 (2019年9月28日 20時) (レス) id: 6488f51157 (このIDを非表示/違反報告)
セジュン(プロフ) - しろいさんの文章力にはほんと脱帽です……。読むのがこんなに遅くなってしまったことを後悔です(:_;) 本当に！ 完結！！ おめでとうございます！！！！！ そしてお疲れ様でした！ いつでもしろいさんの作品を待ってます、また必ず読みます！！！ (2019年9月27日 7時) (レス) id: e5a9caf33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろい
| 作成日時：2019年9月15日 15時
