【BTS】この世界でひとりぼっちの君に。

41 ページ42

お見通しみたいで。

恥ずかしくなって、テヒョンが寝ぼけて持ってきたんだろうか。

なにかを抱きしめていないと眠れないテヒョンのトラの抱き枕が近くにあってそれを手に取り顔を埋める。



「そうならそうって早くいえば良かったじゃん」
「言えないよ」
「もっと早く言ってくれたら寂しくさせずに済んだのに」
「………だって」
「だって？」

心底不思議そうに。けれど優しく問い返してくれるじんくんにもごもご言葉を紡ぐ。



「じんくんに彼女が出来て喜ばないといけないのに……おめでとうって言わないといけないのに嫌なんて言えないよ」
「俺はAにそれされたらショックで熱出してたと思うけどね」


そんなショックなの？ とちょっと笑ってたらトラを取り上げられた。





「…………あれ、じゃあパクさんは……」
「断ったよ」
「断ったの！？」
「なに驚いてるの、笑 今の文脈から言ってどう考えてもそうでしょ」
「なんで……いい子だしかわいいし、断る理由なんて、」
「Aでしょ」
「え……？」



じっと見つめられ両手で包み込むように頭を撫でられる。




「多分、っていうか絶対。俺は誰かと付き合ったら悲しい思いさせちゃうと思う。
俺はAを置いて彼女を優先するとか考えられないから。
今間違いなく一番大切な女の子はAだよ。
そんな気持ちで他の子と付き合えないでしょ」




少し困ったように言う。

なんだかくすぐったいような。
とてつもなく嬉しいような。


「っていうか俺は逆にユンギが好きになったから俺が嫌になったとおもったんだけど」

じーーっと顔を見られる。


ミン先輩を好き。
わたしが。

そっか、そう言えばさっき「ユンギと仲良くなってから変」とまぁ、あたりなような、見当違いなような事を言っていたのを思い出す。



「あー、」
「あー、って何！？ え！？」

42→←40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す