幸せ (ページ10)

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昨日は集中できなくて夜まで時間かけて

課題をしたせいでかなり寝不足だ

でも授業中に寝ることもできず

休み時間はほぼ眠っていた

パッと目を覚ますと

教室には誰もいない…やらかした次移動教室だった

教書を持ち走って教室まで向かう

こう言う時に限って少し遠い教室だった

階段を降り始めると急ぎすぎて足を踏み外した

うわ落ちると思って思わず目を瞑ったのに

なかなか落ちないから目を開けると

「あぶねえ」

なんてわたしを支えてる黒ちゃんがいて

『黒ちゃんごめん』

「ごめんじゃなくてありがとうでしょ」

『ありがとう』

「足捻ってない？」

『大丈夫だと思う』

「よかった」

とわたしのことギュッと抱きしめるからびっくりする

『黒ちゃんどうしたの？』

「教室なかなか来ないから心配してきたら

落ちそうになってるし心臓止まりそうだった」

なんて抱きしめながら言われると

胸の音が伝わってないか不安になる

『黒ちゃん大丈夫だよ』

「やっぱ無理だった」

『え？』

「Aちゃんのこと諦めようとしたけど無理だった」

やっぱり距離を取られてたのは

そういうことだったのか…

『深田から聞いたよ他の仲良くしてる子いるんでしょ？』

「は？いないし」

『でも深田が』

「俺より深田のこと信じるんだ」

なんてあからさまにシュンとする

スマホを出してトークをわたしに見せてくる

「これでさ誤解解けた？」

『うん…なんかごめん』

「でも俺が他のこと仲良くしてたらやだの？」

なんて嬉しそうな顔が隠せてない

ニヤニヤ顔で聞いてきた

『そういうわけじゃ…てか授業始まるから行かないと』

なんて歩き出そうとしたわたしを止めた

「ちゃんと答えるまで行かせない俺の目見て」

ちらっと黒ちゃんを見ると目があって

『黒ちゃんがわたしじゃなくて…

他の子のとこ行ってるのかなって思うと嫌だった』

「うん、でも俺の課題はAちゃん観察だから」

『ほんと黒ちゃん飽きないね』

黒ちゃんが隣にいるとわたしも笑顔になる

それだけで幸せがいっぱいだ

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