幸せ (ページ5)

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「なに、いきなり惚気るやん」

『惚気てないし』

「なに光成が優しすぎて嫌なの？」

『嫌じゃないよ、優しいとこが好きになったんだけど

わたしがどんなにわがまま言っても怒らないし

全部わたし優先なの

そんなので光成はいいのかなって

わたしなんかといて幸せなのかなって不安になって』

「光成はAを大切に思ってるだけでしょ

送ってあげるから家帰りな」

『だから嫌だって』

「ほんとわがままな猫すぎる」

なんて言い争いを1時間続けた

「マジで帰らないの？」

『帰らないよ』

さっきから鳴り止まないスマホが鳴り止んだ

その瞬間わたしなんかに呆れて

どうでもよくなったんだなんて

思うのはとっても面倒くさい女だと思う

「ついにきたよ」

なんて光成から着信画面見せる黒ちゃん

ずっと無視ってるくせに

黒ちゃんに掛けただけで安心するなんて自分に嫌気がさす

「もしもし」

なんて電話に出る黒ちゃん

「あぁ、Aならウチにいるよ」

言っちゃった…まぁさすがに連絡きたら嘘つかないか

「当たり前じゃん、指一本触れてないし

はいはい、じゃあまた後で」

なんて電話を切った

『光成なんて言ってた？』

「迎えに来るって」

『それだけ？』

そう言うと笑って

「手出してないか聞かれたわ

勝手に家に上がってこられたのは

こっちなのに」

なんてブツブツ言ってる黒ちゃん

光成はどんな顔してやってくるんだろう

なんて期待と同じぐらい怖かったりする

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