幸せにしてやりたいんだ 31 ページ8
鉄朗と大将が握手をして戸美学園との試合、3位決定戦が始まる。
相手チームの戸美は、エースの沼井が井闥山との試合で右親指を脱臼したことを私は耳に入れていた。
戸美はスタメンにエースの沼井を入れてこない。
替わりにスタメンに入っているWSは潜という1年生だ。
鉄朗とはまた違う寝癖みたいな髪型が何とも印象的だ。
私が調べた所によると、戸美は全員がサーブの名手でありサーブコントロールは抜群、音駒と同じ粘って相手のミス、自滅を誘うプレースタイル、煽りなどを取り入れつつ会場の空気を味方に付けるのに卓越している。
注意すべきは主将の大将とMB広尾、今は沼井がいないが、エース沼井に彼の代打である潜。
衛輔がリエーフを励まし頼もしい背中で味方を鼓舞し、みんなの顔にやる気が漲る。
試合が始まればどうやら戸美のメンバーは猛虎やリエーフを煽りの対象にしているようだ。
そして猛虎にファーストタッチさせ、攻撃への参加をさせないようにする戦術。
信行のスパイクを拾い守備の巧さを見せ付ける潜。
礼儀正しく自分のミスを宣告しスポーツマンらしく振る舞い周りに好印象を与える大将。
主審は音駒に厳しい判断で試合を進行していく。
ストレスが溜まったようなプレーになってきた音駒に対する見方が余り良くないものになってきているのが私にも解る。
みんな…落ち着いて…。煽りや戸美の戦術に乗っちゃったらダメだよ…?
得意な守備で粘り合いながらお互いに相手のミスを誘おうとプレーを続けていく。
試合中盤、衛輔の調子が悪いことに私は気付いた。ケガのせいだ。
頼れるリベロの背中を必死に保とうとしているのが痛ましく、大丈夫かな…?と心配になってきてしまう。
鉄朗も衛輔の様子がおかしいのに気付いているようだった。
戸美に気付かれて、衛輔を狙われたら…、
場合によっては優生と交代…ということもあり得る。
その私の読みは、当たって欲しくない時に限って当たってしまうことになる。
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作者名:Musashi | 作成日時:2017年4月8日 9時