頼み事 ページ7
太宰にある事を告げてから、信じられないと疑惑の眼差しを向けられた。
「御伽噺でも、そんな杜撰な物語は聞いた事がないよ」
『安心しろ。私も何言ってるのか判ってない』
腕を組んで自分でも何を言っているのか判らない御伽噺を伝える彼女に不安を覚える太宰だった。
「
『ネーミングセンス皆無じゃないか!既存のカミサマを使うだなんて最悪だナ。歳だから認知症になったんだろうヨ』
「矢張り
『潜入所か…北欧のネズミーマ○スの遊園地に遊びに行ったらスカウトされた。私が私だと知ってのスカウトかと思ったらそうでも無かった』
「人生を謳歌してるねぇ。……あれ?名前出して大丈夫なの?」
『正規の名前じゃないから大丈夫だ。正規の方だったら鼠
既存の名前、しかもその筋の人達に知られたら只では済まない名前にこの物語が大丈夫か否かを危惧してしまう太宰だった。
「それで如何してこの子を乗っ取ったの?」
『私は察しの良い女だからな。取り敢えず、そろそろ
「知ってて黙ってたの?」
『ハハハ、木偶の坊より早く辿り着いたとは。これで一生お前を馬鹿に出来るナ』
「其れが君の素なのかな。女狐が聞いて呆れるよ」
『……いいや、元はこんな風に言わないサ。今はあの子を守る為だけに私という人格があるのだからナ』
「思わせぶりな言葉は全て狂言だったのかな?」
『お前の知ってる其れが本当サ。それじゃ、そろそろお暇するとしようか。……そうそう、少し言いたい事がある』
それは助言でも何でもなかった。
「Aの事、頼むぞ」
頼み事、太宰からしたら利益も何も無い提案だった。
「女狐らしくないね。君、実は違う人なんじゃないの?」
『………ははは、強ち間違っちゃあいないな』
そう言って、再び力なく倒れた。
規則正しい寝息を吐く彼女の目蓋を無理矢理開く。
白い瞳から黒い瞳に戻っている、それを確認して元に戻ったのだも確認を取った。
「全く……責任を全て上司に投げる性格は相変わらずだ。面妖で面倒な御仁だ」
太宰が頭を撫でると、眠っている顔に自然と笑みが戻った。
懐かしく遠い記憶を、物理的に感じていたのかも知れない。
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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時