大人の時間 ページ4
息が出来なくなる、脳が警鐘を鳴らしている。
そして共に、その覚悟を悟った。
「……」
太宰に言われて思い出した。
あの時の外国人…基フョードルは自分についての自己紹介を一切していないのに、自分の名前を当たり前の様に呼んだ。
今更、気付くなんて馬鹿だ…もしかしたら太宰はその事について注意をしているのかもしれない。
「うう…」
それを思えばなにも言えなかった。
「漸く判ったかな?全く理解が遅いね、相変わらず」
「……あいかわらず?」
「うん。君は知らないだろうけど、マフィアに居たんだよ」
「……うっそだぁ」
「そうだよね。うん」
「ならなんで…。というか、てを はなしてくれません?ほっぺたムニムニするのやめてあごのしたもつまもうとするのもやめろ」
「何故だい?」
「さいきん、またふとった」
「ああ、お腹のお肉が確かに少し増えたね。話を逸らすのは止めようか」
「ひい…ダザイさんはじょせいにやさしいんじゃ…」
「うん。女性には優しくするよ。只、君の場合身体は女性だけど中身がバブちゃんじゃないか」
「ダレがバブちゃんだ。セクハラでしゃちょうにほうこくだ。……ヨサノせんせーがいいかも」
「あっ、それは止めて」
それから太宰の手から解放されたのは三分後の事だった。
「ぐぐ…てのあとが ついてる」
「君、本題忘れたわけじゃないよね?ちゃんと茶番に付き合ってあげたんだから次こそは話を聞いてね」
「……は〜い」
一瞬、嫌そうな顔をしたが仕方ないと首を振り腹を括って太宰の前に正座で再び座った。
「話すと云っても此処に来る事は予想していたし、本題に入るとしよう。敦君についてだ。彼に懸賞金を賭けたのは【
「……なんで、にぃにをねらうの。いのうにめざめたのは、つい さいきんのハナシじゃん」
「敦君が絡むと人が変わった様に頭の回転が早いねェ。残念ながら情報はある程度統制されてるから、全て予想でしか無いのだけども其れでも良いかい?」
「いいですよぉ。おきかせください」
「じゃあ、始めに約束事しようか」
そう言って太宰は小指を出した。
「ほら早く」
彼女は知らず知らずの内に小指を出して太宰の骨張った小指と柔らかい小指が結ばれた。
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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時