深淵の赤毛のアン ページ15
「あたしの名前はルーシー。此処はあたしの異能力で作った空間なの。でも安心なさって、いつでもその白いドアから出られるわ!……お仲間を取り返したく無ければの話ですけど?」
完全に袋の鼠、そして向こうは追い詰めて良い気になっている猫。
「はあ…。あたまいたいなぁ…」
いっそ清々しくあの少女の頬を殴りたいなと思った瞬間だった。
「如何する
「簡単よ。この部屋のアンと遊んで頂きたいの。いらっしゃい、アン」
彼女の周りに黄色い輪光、彼女の後ろに現れたのはアンと呼ぶには相応しく無いツギハギだらけの巨大な人形だった。
「アンは遊ぶのが大好きなの!少し甘えん坊だけど可愛いのよ?」
その巨大な人形アンは民衆を見下ろして威圧した。
悍ましさと恐怖に耐えきれなかった人々は一斉に白いドアに向かって走り出した。
「但しドアから出たら、部屋の事は全部忘れちゃうわよー?よろしくてー!」
人混みに流されまいと角の方に避難していたが、予想以上の人混みに流されなくて良かったと一息吐いた。
「あらあら、残ったのは4人だけ?それに、其処のお方は角の方に寄り過ぎじゃないかしら」
「A!いたんだね…」
「ひとをユーレイあつかいしないでよ。ところで、そこにいるおじさんはダレ?」
彼女が指差した先には白衣を着たおじさんが尻餅を付いて座っていた。
オドオドしてて頼りなく無精髭を生やして、彼女にとっては何処か見たことあるな〜ぐらいにしか思っていなかった。
「此処は危険です。逃げた方がいい」
「……女の子を探してるんだ。天使の様に可愛い子なのだよ。何処かで見なかったかい?」
そう言っておじさんが取り出したのはモノクロの写真。
ウェーブの掛かったドレスを着た可愛らしい子だった。
「いえ…。残念乍ら…」
「そうかい…。エリスちゃんという名でね。私はこの子と逸れてね…もう気が気で無くて…。あの扉の向こうにいるかも知れない。もし…そうなら今逃げたら一生後悔する。だから、私も残るよ!」
「……分かりました」
それでも不安が残っている敦にAがこう尋ねた。
「にぃに、わたしもてつだったほうがいい?」
「………ううん。Aはその人と安全な処に避難してて。彼女は僕と谷崎さんで相手をする」
「……そう。わかった、がんばって」
「うん、ありがとう」
47人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時