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………迷惑かけちゃったな、特にちゃかに。




来た道を戻りつつちゃんと白線の内側を歩きながら思う。




別にこんなの俺が我慢すればいいだけだったのにな。




あの後2人、雰囲気わるくなってないかな、とか、もし2人さえ良ければまた遊びに行ってもいいかな、なんてぼーっと考えていればパシリと左手が捕えられて。




その拍子に首につけた首輪の鈴がチリン、と小さく音を立てた。




「⋯どうしたの、海斗。」




俺をじっと見つめる元太の瞳が心配そうな色を浮かべる。




「……ごめん。何でもないから。」



こんなの言えるわけない。そう思って誤魔化すようにへらりと軽く笑って見せた。


…上手く笑えたかな。


「嘘つき。耳、垂れてるよ。」



そう言って垂れた耳を少し抑えるようにしながら頭の後ろまで撫でられる。



…俺についた耳と尻尾は俺がどんなに隠そうと頑張ってもそれ以上に感情を表に見せつけてしまうのだ。



「とりあえず、家に帰ろっか。」




頷く間もなく手を引かれるままゆっくりと道を歩いていく。


その優しさにまた自分が情けなくなって、惨めで仕方なくて。


行きとは逆に涙をこらえて震えた体が元太に伝わりませんように、そう願いつつ俺は元太について行った。









家に帰ってからは、元太がいれてくれたホットミルクが入ったマグカップを両手に持ってソファーに座った。


猫舌な俺に合わせてぬるめに作ってくれたホットミルクも今は飲む気になれなくて、そっとテーブルに置いた。



…嫉妬するなんて…



しかも海人は友達で、ちゃかがいて、何もやましいことなんてないのに。




…そんな風に考えれば考えるほどに本当に俺だけの問題だったんだ、なんて悪い方に思考が働いてしまう。




「海斗…何かあった?」




でもそっと横に座って気遣うように手をさすられながら、元太に距離を詰められればもうダメだった。

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作品ジャンル:恋愛
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紫亜(プロフ) - kn_さん» コメントありがとうございます。ただいま私生活の方が落ち着いてきているのでゆっくりになりますがお話を作成中です。もうしばらくお待ちくださいませ。(*・ω・)*_ _)ペコリ (2021年10月22日 21時) (レス) id: c21d0ca7dc (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新待ってます☺️ (2021年10月22日 18時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫亜 | 作成日時:2021年8月26日 15時

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