・ ページ3
発売されたばかりのゲームだったし、俺もちょうどやりたいななんて思ってたゲームだったから。
チームを色々とチェンジしながら何戦も楽しんだ。
ゲームなんて元太に拾われるまではしたこともなかったけど、今ではすっかりハマってしまい趣味のひとつになっているくらい。
「はい、おまたせ。」
いつの間にやら淹れ終わったコーヒーを差し出してくれるちゃかからカップを受け取りつつも、視線はある一点から離せないまま。
ちゃかが不機嫌そうにパタパタと椅子の背を叩く俺の尻尾に困ったように眉を下げて笑った。
「これ可愛いね、海人の首輪!ちゃかに買ってもらったの?」
「そう。いいだろ、俺のお気に入り。」
「ちゃかのくせにセンスいいのがちょっとムカつくけど、確かに海人に似合ってていいと思う。」
俺の視線の先。
ソファーで楽しそうに会話を交わす元太と海人。
…もとい、俺の恋人とちゃかの恋人。
元太はソファーに、海人は床にひかれたラグの上に座ってじゃれ合うように海人の首輪について話している。
首の後ろでリボン結びにされたやわらかそうな革紐が背中にかけてするりと伸びているそれは、可愛いけど可愛すぎないデザインで海人にぴったりだと俺も思ったけど。
その背中に垂れた紐の先端を元太が興味深そうに触れる度にもやもやとした感情が俺の心を占めていくこと…お前は知らないでしょ。
………俺以外の子の首輪なんて触らないでよ。
ちゃかだって海人の首輪が他人に触られていい気はしないとかそういうこと、思ったりしないの?
そんな醜い感情が溢れて止まらない。
おかげでさっき貰った熱々のコーヒーは一口も飲まずに口元に置かれたまま放置されている。
すっかり湯気も出なくなってしまっていた。
…まぁ、どうせ俺はぬるくならなきゃ飲むことも出来ないんだけどさ。
107人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫亜(プロフ) - kn_さん» コメントありがとうございます。ただいま私生活の方が落ち着いてきているのでゆっくりになりますがお話を作成中です。もうしばらくお待ちくださいませ。(*・ω・)*_ _)ペコリ (2021年10月22日 21時) (レス) id: c21d0ca7dc (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新待ってます☺️ (2021年10月22日 18時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫亜 | 作成日時:2021年8月26日 15時