魔王とかいうやつ ページ2
魔王というものは
どのゲームでもだいたい同じ動きをする。
手下を送り、それを勇者に倒され
少し強めな手下を送り、それも勇者に倒される。
ごく稀にソレがボロボロになって帰ってくることもあるが、最終的に倒される。
それも魔王の目の前でね。
まぁ、大半のソレは1日か2日しか魔王の手下という職業に付けない。
それぐらいで殆どの奴らは勇者に殺られる。
そして手下がいなくなった魔王は自ら手を下す。
1度、倒されたり、危なくなったりすると
魔王は覚醒をして少し強くなる。
そして
勇者と恋仲である人間や、勇者の相棒である何かの妖精を殺れば
勇者も覚醒したのかってほど強くなる。
そして魔王は殺られる。
魔王の目的のナニカは完全に消滅、またはもう一度守られる。
殺ったはずのヒロインや相棒も生き返り勇者と運命の再会をする。
そうして勇者は讃えられ、幸せに暮らす。
まぁ、僕も同じようなものだ。
ただ僕には 目的のナニカ がない。
別に誰かのお嫁さんを強奪したい訳でもないし
別に伝説の剣が欲しいわけでもない。
別に絶対服従の世界なんて望んでもいない。
それでも、勇者達は僕を倒しに来る。
そしてほかの魔王達と同じことをする
それが俺の日常。
たとえ殺られようが次の日には普通に起きていつも通り勇者を待って
いつも通り殺られる。
それの繰り返しだ。
つまらない。
退屈。
そう思いながら僕は勇者達と戦う。
．
｢おーい
まおー｣
ただ、
｢キヨっ！
そんな大きい声出さないでよ！｣
｢ねえ、この首持ってってどうするの？キヨ｣
｢あ？まおー見せてやるんだよ｣
今回の勇者達は面白そうだ。
｢楽しませてよ｣
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作者名：ど ー る さ ん | 作成日時：2018年6月24日 22時
