Story 10 ページ10
翌朝、教室に行くと…
「……え…」
涼介くんの席の周りに、
結構な人数の女子が集まっている。
私の席も人で埋まってて、座れそうにない…。
というか、涼介くん凄い迷惑そうな顔してるじゃん。。
「……よし…」
ここは私が助けてあげなきゃ…！
私は涼介くんの周りにいる女子達のところに向かい、
「あのっ…涼介くんが困ってるから、もうやめてあげて…？」
勇気を振り絞って、できる限りの声を出した。
涼介くんは少し目を見開いて私を見ている。
女「え、何？私ただ山田くんに話しかけてるだけなんだけど」
「だ、だけど、私も席に座れなくて困るの…」
女「……何なの、この人」
気に食わなそうに一人の女子が去って行くと、
他の人達も少しずつここから離れて行った。
すごい怖かった……。
気の強そうな女子ばかりだったな。。
少し深呼吸をして息を整え、席に座った。
涼「……よく言ったね」
「え…？」
涼「緊張したでしょ、少し汗かいてるよ」
「あ、うん…緊張した」
すると、急に涼介くんの腕が私の顔まで伸びて…
制服の中に萌え袖で着ているカーディガンで、
私の汗を拭いてくれた。。
「あ…ありがとう」
汚いとか思わないのかな…。
涼介くんが触れた顔の部分が熱く感じて、
余計に汗が出そうだ。。
隣にいる涼介くんを見ると、
なんだかいつもより満足そうな横顔で…
前を向いて両手で頬杖をついている。
相変わらず綺麗な横顔で見惚れてしまう。。
胸のドキドキがなかなか治まらない。
やっぱり涼介くんのこと、好きなんだなぁ…。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
