Story 9 ページ9
目を開くと…
まだ意識がしっかりとしていないのか、
目の前が少しぼやけて見える。
「涼介くん……」
侑「あ、起きた！悪いけど、因みに侑李だよ」
あ、、人影が見えたから涼介くんかと思ったら、
侑李だった……ということは…ここは家なの？
「あ、あれ……私、えっと……」
何を言ったらいいのか…なかなか頭が回らない。。
侑「大丈夫？さっき学校から帰ってきたら、母さんからAが意識ないって言われてビックリしたよ」
あ…そっか、私バスケットボールが頭に直撃して
意識失ったんだった……。
この出来事だけは口が裂けても
侑李に言いたくないな……。
侑「バスケットボールで頭打つとかバカだよね」
知ってたー……！
「なんで知ってるの！？」
侑「母さんが学校から電話きて知ったんだって、それで僕は母さんから教えてもらったんだよ」
「そ、そんな……」
あまりにダサい結果すぎて、記憶から消したい……。
侑「あとさ、涼介くんって誰？？」
「え？」
侑「ほら、起きた直後に言ってたじゃん」
「涼介くんって……あっ！」
そういえば、そんなこと言っちゃってた…！
もうなんか、ここから消え去りたい……。
侑「もしかしてさ、好きな人？」
「あのね…侑李、聞いてくれる？」
侑「聞くよ？何？」
「私、完全に恋しちゃった」
侑「やっぱりね、わかってたよ」
「もうこれは絶対に恋だって確信したの」
侑「そっかそっか、んで、その人が涼介くんね？」
「そう！」
侑「今まで恋愛の気配もなかったAが人を好きになるなんて…涼介くんって一体どんな人なの？」
「私から見て涼介くんは…素っ気なくて無愛想で、でもイケメンで運動神経も良くて…」
侑「あの…それって、絶対片思いだよね」
「あ……そう、かもね…」
侑「うん、なんかモテてそうだもん。Aを彼女にするには勿体ないね」
「そ、そこまで言わなくてもいいじゃん…！」
確かに侑李の言うことは正論だけど……
だけど好きになっちゃったんだもん。。
あの時に涼介くん、お姫様抱っこして保健室まで
連れて行ってくれたのかな…？
ほんの少し記憶に残っている。
明日、学校に行ったら涼介くんにお礼を言わないと。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
