Story 4 ページ4
今日も勇気を振り絞って、
“おはよう”とだけ言葉を交わして、
それ以降は何も話せずにいる。。
でも、あんまり話しかけたら迷惑なんだよね…。
結局お互い無言のまま、お昼休みまできてしまった。
お昼休みに入ると、涼介くんは立ち上がり
どこかに行ってしまう。
どこ行くんだろう……。
この今までにない好奇心から、
バレないように涼介くんの後をついて行くことにした。
他の人に怪しく思われないよう、
涼介くんの後をしばらく歩いて行くと、
入って行ったのは、図書室だった。
「……図書室…」
読書が好きだったりするのかな?
私も図書室に入り、涼介くんにバレない位置に移動する。
そして何か本を探すフリをしながら、
チラチラ涼介くんを見たりする。。
……何やってるんだ私は。。
することがストーカーじゃん。。
それでも、涼介くんの行動が気になってしまう。
すると涼介くんは、
鞄から何かのノートみたいな物を取り出す。
え……何やってるんだろう…?
気付いた時には、私は適当な本を片手に取り
涼介くんに近寄っていた。
涼「……また、君?」
「あっ……ごめんなさい私、、本が読みたくて来たら、涼介くん見つけちゃって」
平凡な嘘をついて、笑って誤魔化す。
涼「………」
黙って見つめる涼介くんの目線の先は、
私が手に持っている、さっき適当に取ってきた本。
涼「それが読みたくて来たの?」
「そ、そうだけど……」
え…そういえば私、何の本持ってきたんだ?
何気なく見てみると、
『色んな虫図鑑』
と、大きく書かれている…
究極の虫マニアが見るような、
色んな虫が表紙に載ってある本だった。
「わっ……気持ち悪い…!」
運が悪いことに、虫が大の苦手な私。。
絶対に言ってはいけない言葉が、
咄嗟に口から出てしまった。
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作者名:エ イ ナ . | 作成日時:2019年10月1日 22時