Story 25 ページ25
その後の授業は……
隣に涼介くんがいるってだけで胸がドキドキして、
集中できなかったということしか覚えていない。
下校時間になったから、ちょっと勇気を振り絞って
涼介くんに一緒に帰れるか聞いてみよう！
「あのさ、涼介くん」
名前を呼ぶと、涼介くんは顔を私の方に向ける。
「一緒に、帰らない？」
涼「うん、いいよ」
涼介くんと一緒に帰れる…！
嬉しくてニヤけを止めることができない。。
私と涼介くんは一定の距離を保ちながら廊下を歩く。
手、繋ぎたいな……。
だけど、私から繋ぐなんて勇気はさすがに出ない。
なんて思いながらけっこう長い時間帰り道を歩いて、
周りに同じ制服を着た生徒はいなくなった時……
急に涼介くんがピタッと足を止めた。
「どうしたの…？」
涼「手……繋いでも、いいのかな」
「えっ？」
涼介くんも同じこと考えてたんだ…。
「うん…もちろん！」
私が笑顔で言うと、涼介くんは安心したように微笑んだ。
涼「じゃあ……」
私の手をゆっくり優しく握る。
初めて繋いだ涼介くんの手は温かくて柔らかい。
私達は手を繋いで再び歩き出した。
あぁ、こんなにも幸せなんだ……。
私の家が見えてきた。
当然のように家まで送ってくれる涼介くんは、
やっぱりすごく優しいんだな。。
「ありがとう、送ってくれて」
涼「うん」
私がお礼を言うと同時に離された手。
名残り惜しいなぁ……離れたくない。
涼「寂しいの？」
あ、私また顔に出てたか。
「うん……ちょっとだけ」
涼介くんは少し黙ると……
涼「こっち来て」
私の手を引いて歩き出した。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
