Story 24 ページ24
お昼休みのチャイムが鳴る。
お昼ご飯を食べ終えて、真っ先に図書室へ向かった。
探さなくてもすぐに涼介くんを見つけることができた。
前に一緒に座って話した一番奥の席。
そこで涼介くんは頬杖をついて待っていたから。
「涼介くん」
涼「あ、来た」
私は涼介くんの隣に座ると、
少しの沈黙の後に涼介くんが口を開いた。
涼「もうわかってるでしょ?」
「え、なにが…?」
涼「俺が言いたいこと」
「え…えっと……」
私が涼介くんの言いたいことをわかってる…?
「……んー…わかんないな…」
涼「じゃあ朝のあれは何のニヤニヤだったの?」
「えっ、それは…」
ちょっと期待しちゃってたなんて直接は言えないし……
「ニヤニヤしてたっけ…?」
涼「してたよ」
「そ、そっか…」
涼「まぁ、いいや…」
涼介くんが体ごと私のいる方に向けて座り直す。
反射的に私も涼介くんと向かい合うようにして座った。
涼「………」
涼介くんがちょっと困ったような、
何か考えてるような顔をしている。
私はただ、涼介くんの次の言葉を待つことしかできない。
涼「その…こんなの初めてだから、なんて言ったらいいかわかんないけど…」
「うん…」
涼「好きになって……Aのことが」
え、嘘……今のは決して、空耳なんかじゃない…よね?
涼「もう俺の中で決心がついたんだ…不安だったけど、Aとなら良い恋人関係になれそうだなって」
「涼介くん……」
涼「だから今度こそ本気で、付き合ってください」
勝手に涙が溢れてくる…。
涼「俺の初めての恋人になってほしい」
私は首を大きく縦に振って…
「……はい…!」
溢れる涙を堪え、笑顔で精一杯の声で返事をすると、
涼介くんは優しく頭を撫でてくれる。
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作者名:エ イ ナ . | 作成日時:2019年10月1日 22時