Story 23 ページ23
涼「あのさ…」
「えっ？」
涼介くんから声をかけてくれるなんて珍しくて、
思わず大きな声が出てしまった。
涼「え、何？」
私の声にびっくりした涼介くんが、
目を見開いて私を見ている。
「あ…ご、ごめんね驚かしちゃって、、どうしたの？」
涼「うん、あの…お昼休み図書室に来てほしいんだけど」
「図書室に？」
涼「話したいことがあって…本当は昨日言いたかったことなんだけど」
涼「なんか、ドアの向こう側にAの弟？…の気配がしたからやめといた」
侑李、絶対ドアにへばりついて話聞こうとしてたな……。
「……ごめんね…うちの弟が……」
涼「いや、いいんだけど」
話ってなんだろう……本当は昨日言いたかったこと…
もしかしてやっぱり、告白かなぁ……？
…いやいやダメだ！
あんまり期待してたら違った時また後悔してしまう！
涼「何か変な期待でもしてるの？」
「え！？いや…してないよ？」
涼「そうなの？なんかニヤニヤしてたからさ」
やばい…顔に出てしまっていた……。
すると、涼介くんが私を見て
笑いを堪えられなかったという感じでケラケラと笑った。
涼「ほんと色んな表情するから面白いね」
「あ…えっと」
出会った頃では考えられないくらい笑ってくれて、
なんだかすごい嬉しくて、うまく言葉を返せなくなる。
涼「そのありのままな感じ、好きだなー」
「え？」
涼「ん？」
い、今さりげなく好きって……
鼓動が一気に早くなるのを感じる。
私は涼介くんの方に目を向けると、
綺麗な瞳で私を見つめている。
目が合っても尚まっすぐ私を見つめる涼介くん。
…涼介くんが私のことを好き？？
いや期待なんてしたらダメだ。
また悲しい思いをしちゃうでしょ。
私には涼介くんを見つめることなんてできず、
すぐに目を逸らしてしまう。
今、涼介くんの目に映る私は、
どんな表情をしてるんだろう……。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
