Story 19 ページ19
さっきから心臓の音が、
うるさくて鳴り止まない…。
涼「…嫌じゃなかった？顔、近付いて」
「い、嫌とかじゃないけど……」
涼介くんは、耳を傾けるようにして
目線だけ私に向ける。
「……ちょっと、びっくりした」
私がそう言うと、少し笑った涼介くんに
更に胸が高鳴る。
涼「よけなかったってことはさ……」
数秒の間をあけて、涼介くんが言った。
涼「…俺のこと、好きなの？」
「……！！」
ちょっと待って……
私まだ全く心の準備ができてない。。
だけど私は、ゆっくりと頷いた。
涼「付き合う？」
「…えっ……？」
今、なんて……？
付き合うって……言った…？
涼「…いや、なんでもない」
「え…でも、今……」
涼「聞こえてた…？」
「う、うん……」
涼「…ごめん、なかったことにして」
「……どうして…？」
涼介くんが顔をしかめる。
「私の心を弄んでたってこと……？」
涼「…そうじゃない」
「じゃあどうして……私、涼介くんのこと…好きなのに……」
涼「……ごめん…俺、帰るわ…」
涼介くんが、そそくさと私の横を通り過ぎて行く。
どうしてこうなったんだろう……。
私、涼介くんに言い過ぎちゃったかな…？
正直、涼介くんの考えていることが
よくわからなくて、困惑している。
私は一人教室に立ち尽くしたまま、
涙が止まらなくて、ただ泣くことしかできなかった。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
