Story 17 ページ17
あれから数日…
私は涼介くんと距離を置いて過ごした。
もうあんなことされるのは散々だから…。
しばらく涼介くんと話さないでいる内に、
涼介くんに彼女ができたとか…
よくわかんない女子に聞かされたけど…。
そんなある日……
私は今日も特に涼介くんと話さず帰ろうとしていた。
鞄を手に持ち、席を離れようとした時…
「……？」
後ろから腕を掴まれて振り向くと…
「え……涼介くん…？」
私の腕を掴んでいたのは、涼介くんだった。
涼介くんの名前を言った途端、腕から手が離れる。
驚いて涼介くんを見つめていると、
涼介くんは少し困ったような顔をして目を逸らす。
涼「なんか、最近…俺のこと避けてる？」
「……え…？」
思ってもなかった言葉に、戸惑ってしまう。
「え…えっと……」
涼「気のせい？」
「………」
何も言えずにいると、やけに周りが静かで…
辺りを見渡すと、気づいたら教室に
涼介くんと二人きりになっていた。
すると急に鼓動が早くなる。
「ご、ごめんなさい……」
避けているのは事実で、だけど理由を言えなくて……
自分でもどうしたらいいのかがわからなくなって……
ただ、謝ることしかできなかった。。
「涼介くんは、悪くないから……」
涼「……どうしたの…？」
「…それは……」
少し頭を傾けて私を見つめる涼介くんに、
言葉が余計に出てこなくなる。。
「……特に、何もないんだけど……」
涼「……ほんとなの？」
「うん…」
これ以上の言葉など、私には言えなかった。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
