Story 14 ページ14
「本当にいいの…？」
涼介くんと歩きながら、とても罪悪感を感じる。
涼「よくなかったら、こんなことしてない」
「でも、親が心配するでしょ…？」
涼「………」
急に涼介くんが黙り込む。
あれ…私なんか変なこと言ったかな？
「……涼介くん…？」
涼「心配なんてしないよ」
「…え？」
涼「家に帰ったって誰もいないし」
涼「いたとしても、母さんが知らない男とイチャイチャしてて……ほんと、気持ち悪い親だな」
涼介くんに、そんな事実があったなんて……
私、本当に失礼なこと言っちゃった。。
すると、涼介くんがハッとしたような顔をする。
涼「ごめん…今の忘れて」
「え…？」
涼「今までこんな話、誰にもしたことなかったのに…」
涼介くんが誰にも話してこなかったことを、
私に言ってくれて……嬉しいという気持ちと…
もっと涼介くんのこと知りたいと思ってしまった。
気づいたら私は立ち止まっていて、
涼介くんに気持ちを伝えようとしていた。
「涼介くん……」
涼「……どうしたの？」
涼介くんも立ち止まって私を見る。
でも、さっきの出来事を思い出してしまい我に返る。
「……ううん、なんでもない…」
無理に笑顔を作って、涼介くんを見ると…
そんな私を、涼介くんは目を丸くして見つめている。
「急に立ち止まちゃって、ごめんね…？行こっか」
私と涼介くんは再び歩き出す。
少し気まずい沈黙の中、
なんとか雰囲気を変えるような言葉を考えるけど…
考えれば考えるほど内容が出てこない。。
「……涼介くんって…優しいよね」
やっとの思いで出てきた言葉がコレって……。
涼「……なんで？」
涼介くん困惑してるじゃん。。
「あ、いや……バスケの時も助けてくれたし、今回も家まで送ってくれてるから」
涼「いや別に、俺の気まぐれだから」
またそうやって涼介くんは、
ちょっと素直じゃないところがあるよね。
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作者名：ｴ ｲ ﾅ . | 作成日時：2019年10月1日 22時
