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あ、そういえば……
ちゃんと昨日のお礼、言わないと…。
「あの、涼介くん…」
涼介くんが私を見て、次の言葉を黙って待っている。
「昨日は、ありがとう」
涼「…何が?」
「あ…私が倒れた時、運んでくれたよね…?」
涼「あぁ…あれね」
「私、重くなかった…?」
涼「別に…?」
「あ、なら、よかった…」
涼「頭、大丈夫なの?」
「うん…もう大丈夫」
心配してくれてたのかな…?
「…涼介くんって、バスケ得意なんだね」
涼「サッカーの方が好きだけど」
「あ、そうなんだ…」
サッカーやってる涼介くん、ちょっと見てみたいな…。
絶対カッコイイでしょ。
「でも昨日のバスケで涼介くん、一気に人気者だね」
涼「人気になったって、面倒なだけ」
確かに、涼介くんってそういうの苦手そう……(笑)
「涼介くんがシュート決める度に、すごい歓声だったよね」
涼「Aが倒れて持ち上げた時も結構うるさかった」
「あっ、そうなの?」
意識が朦朧としてて、
周りの音とかあんまり聞こえてなかった。。
涼「自分でも勝手に体が動いててビックリしたけど…こんなに注目浴びるなら、やんなきゃよかった」
「え……」
…なんか後悔されてない??
涼「……って思ったけど、まぁよかったんじゃないの?」
私を見る涼介くんの口角が少し上がって、
いつもより胸がドキッと高鳴った。
こんなにカッコイイ人が、世の中にいるんだな。。
私も自然と頬が緩んで、笑顔になれた。
なんか私…今すごい幸せだな。。
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作者名:エ イ ナ . | 作成日時:2019年10月1日 22時