覚悟 ページ27
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『っ、あんたなんか、！』
── いなければよかったのに
俺はその大きな瞳に今にも零れそうになる涙をグッと堪えるAの耳を塞いだ。
…きっと、間に合わなかった。
北「聞かなくていい、あんな雑音」
ずっと信頼していた人を目の前にして、あまりに無防備な状態の彼女には心ない言葉がきっとそのまま突き刺さってしまった。
詳しくは言わないけれど、ここ最近ずっとAの周りではおかしなことばかり起きていた。
徐々にエスカレートするその行為にすっかり疲弊しきっていたAを救うためにその原因の究明を急いでいると、犯人は意外にもAが信頼しきっていた女性スタッフだと判明したのだ。
だから、簡単に受け止められるわけなんてないだろう。
「いいよ、わかってるから」
北「、」
「誰に言われなくても自分が一番わかってることだから」
…でも俺は知っていた。
俺の手を振り払うために触れた彼女の手はひどく震えていたこと。
泣きそうなのを悟られたくなくて決して俺の目を見ようとしなかったこと。
強がりで、不器用で、面倒くさい。
◇
ある日のレッスン室前、ドアの前に立ち尽くすAを見つけた。
何度も深呼吸を繰り返してドアノブを握ろうとしては手が震えて離れて…いつまで経っても中に入ろうとせず、急に走り去るように非常階段へと駆け込む彼女を俺は追いかけた。
非常ドアを開けるとすぐそこで蹲るA。
…呼吸が、浅い。
北「っA！おい、ゆっくり深呼吸しろ！」
何が彼女をここまで追い詰めたのか、なんて目に見えるようにわかっていた。
頑張れという言葉も意味をなさない現実がそこにはあって、こいつが一人で戦うにはもう限界なんてとっくに超えていただろう。
「……なんか、みんなに会う勇気出なくて」
北「うん」
「…信じるって自分の責任だから、例え裏切られたってそれは自分のせい。でも今はもう自分を守る力残ってない」
「…でも私、弱いから、信じることしかできない。そうやって生きてきたから、それ以外できない」
北「……いいんじゃねえの、そのままで」
「…」
北「お前が自分のこと守れないなら、俺らが守ってやるから」
「…ほく、」
俺の言葉に子供のように泣き出したAを抱きしめながら思った。
絶対に裏切らない。どんな形であれずっとそばにいる。
彼女を守るために俺は強くならなければいけない。
そんな覚悟を決めたある日のことだった。
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美紀 - SixTones北斗君と大我君と樹君のオール担当です最高です気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年9月20日 11時) (
レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー(プロフ) - １つ１つのお話が毎回深くて、らぶちゃんが愛されてるのがよくわかってとっても好きな小説です。更新楽しみに待っています！頑張ってください！ (2019年7月17日 21時) (レス) id: a9f42f7208 (このIDを非表示/違反報告)
ここのつ(プロフ) - らぶちゃん可愛くて芯があって推せます…！お話楽しみにしています！ (2019年7月3日 20時) (レス) id: f719349ae7 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 紅一点もののストーリーで1番好きです！続きも楽しみにしてます☆ (2019年5月2日 23時) (レス) id: 8c3a139d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーやん | 作成日時：2019年3月12日 22時
