クロスロード (ページ12)

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ゆびきりげんまんページ12

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『間違いなんかじゃない』

玄樹のその言葉が、ここへ逃げてきてからずっと私の胸を覆っていた靄を消していくのを感じた。

私はずっと誰かに認められたくて、そんな弱い自分ごと受け入れてほしかっただけなのかもしれない。

それをきっと玄樹はわかってくれていたんだと思う。
私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれたその腕の温もりは、私たちをいとも簡単にあの日々へと連れ戻す。
ずっと一緒にいた、あの日々へ。

「やっぱり、愛は距離を超えるね」

「え？」

「だってこうやってまた会えた。見つけることができた」

「そんな、大袈裟な…」

「でもね、俺怒ってる。急にいなくなったこと」

「…」

「辛かったよ、大切な人がいなくなって。悔しかったよ、守ってあげられなくて」

「ごめん、」

「ねぇ、今からじゃ遅いかな？俺も、みんなも、Aが必要だよ」

「…」

「…嫌いになった？俺らのこと」

「そんなわけない！でも、」

「でも、？」

「みんなのことも、あの場所も、大好きだから…戻れない」

隣を見れば仲間がいた。ステージからみんなと見る景色を忘れたことなんて一度だってない。

だけど、大好きだからちゃんと受け止めなくちゃいけなかった。私があのままあの場所にいたらみんなに負担をかけることなんて目に見えていたから。
どうにかして守りたかったの。誰にも、傷つけられたくなんかなかったの。

「…じゃあ、約束ちょうだい」

「約束？」

「そう。俺、Aに見せたい景色に辿り着いたら絶対にAを迎えに来る」

「…」

「だから、その時までお互いに絶対に幸せでいる。ひとりじゃない。どんなに遠く離れていても、ひとりにさせない」

「…玄樹、」

「お願い。約束してほしい」

「…わかった。約束する。私はいつだって玄樹のことを、みんなのことを想ってる。みんなの夢が叶うように、この場所から願ってる」

「ありがとう、A」

約束って切実な祈りで決意で覚悟で、魔法の様なものだ。
この約束がきっと私たちを素敵な未来へと導いてくれると信じて、

私たちは笑顔で手を振った

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