223# 要注意人物 ページ23
◆
トリックはピストルを下ろした。どういうつもりだ。でもこれはチャンスかもしれない。今逃げればあの人は振り切ったらいい。
……そう思うと同時に、こうも思う。撒いたとしてどうする。まだ初日。転校までしたのに何も遂げていない。正体が知られたとなれば、姉さんにもガッカリされてしまう。どうする。なにか無いのか。彼女の弱み、弱み……
「海里くん、顔に出てるよ」
「貴方にそう呼ばれる義理はありません」
「………霧羽さんの弱点を探したって意味ないと思うけど」
教師であり担任だからなのか？ こんなに保護するなんて。仮にも元イースターのくせに。大人なのに。しょせんオレたちは子ども。それなのに彼女を、霧羽Aという少女の下についているような発言が目立つ。
トリックと二階堂さん。退路を塞ぐ二人。そのどちらかなら、断然二階堂さんの方が取り引きしやすい。……こんな感じで思案を巡らせてばかりのオレに痺れを切らしたらしい。「できればこの手は避けたかったけど」と、彼女は近づきながらオレの目の前に手を伸ばしてきた。
顔を掴まれる。一瞬のことで驚いてしまい、思わず強く目をつぶった。……しかし何も触れない。深いため息が聞こえて、目を開けた。
「私は自分以外のこころのたまごも、等しく大切に思っているからさ。あまり脅すことはしたくないんだけど……」
「ムサシ！」
「か、海里……っ」
トリックの左手にはムサシ。体を捕まえられて、身動きできない。抜け出せない状態らしい。取り戻そうと今度は自分が手を伸ばそうとしたら、ムサシの頭にトリックのしゅごキャラ・こはくが銃口を付ける。
言うには玩具ではないらしい。さすがに人間の銃のような弾は発射されないが、火薬と爆発による風はあるとか。そう種明かしをしてくれる彼女はまったく笑っていない。新学期より前のことが脳裏によぎった。
「どうするの？ ……なんて、言わなくてもわかるよね。イースターと『なりたい自分』、君はどちらを守るべきか」
「彼女に警戒するのはわからなくないけれど、大丈夫。海里くんが思っているような子じゃないよ。僕から見ても他の生徒と少し違うから、霧羽さんは」
「はいはい、余計なこと言わないでくださーい。……まあでも、そうだね。三条が認めてくれたらムサシを解放する。それと……」
辺里たちに、君がスパイであることを黙っていてあげる。
トリックは確かにそう言った。
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クロウサ(プロフ) - いいですよ。気にしないでください。 (10月17日 19時) (
レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - クロウサさん» そうですね……。申し訳ありませんが受けることはできません。個人的な理由もありますが、この作品だけを更新しているわけではないからです。これ以上掛け持ちしたくないので。ごめんなさい。 (10月17日 19時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - うーん。今しゅごキャラの小説を、書いてますがもう１つしゅごキャラの小説を書いて欲しいんです。もちろん原作沿いで、落ちは相馬空海でお願いしたいんですけど無理だったならいいんです。 (10月17日 19時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - クロウサさん» 当作品を読んでいただき、ありがとうございます。物語の今後に関するリクエストならば、正直自らの体調を考慮してはっきりお断りすべきなのですが一応聞いてみたいと思ってしまいました。もし私のこの言い方に不快な思いをされた場合はすみません。 (10月17日 18時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - しゅごキャラの小説が、読めるなんて嬉しいです。あの１つリクエストしてもいいですか？ (10月17日 16時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年4月22日 23時
