黒ネコさんは悪い人じゃない④【しゅごキャラ】 (ページ7)

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157# 猫とネコページ7

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別に知られてどう、とかはない。あなたにとって、私が生徒であることは変わらない。子どもに二歳差は大きいけれど、大人からすれば全然気にならないだろう。

こちらを試すような視線のまま、彼女は言い放った。姿はただの子どもなのに、こうして一対一になったらそうとは感じにくい。

対面ではなく文面の会話だったら、霧羽さんを大人と勘違いする人もいるかもしれないなあ。今日ちゃんと話してみての感想だ。

「フガフゴッ、A！」

「？」

「ダイチの気配がするデス」

「…………、」

口の自由を力任せに取り戻す彼女のしゅごキャラ。知っている名前が出たのか、目線が落ちる。弧を描いていた口角も直線になった。

そういうところだよ。さっき忠告したのに。

「じゃあオレが匿ってやるかにゃ？」

右側から聞こえてきた、別の声。珍しい組み合わせだ、にゃははと笑う黒猫がいた。この子はイクトくんのしゅごキャラだ。

ヨル君、と呼ばれた黒猫は彼女に擦り寄る。すると条件反射のように煮干しの袋を取り出した。どうやら、霧羽さんは彼のしゅごキャラに相当懐かれているらしい。

「イクトくんと繋がってるのも本当だったんだね」

「はい。でも勘違いしないでください、イースターの彼に協力したことはありません。エンブリオもどうでもいいです」

それでは、そう言って手をヒラヒラ振る。追っ手から逃げる選択をしたらしい。まだ顔を合わせたくない、か。

僕も、正式に職場復帰とされる翌日まで姿を見られる訳にはいかない。さっさとずらかろう。

◆

今日は野良猫たちとの集会もなし。暇だから、ガーディアンの奴らでもからかってやるにゃ。そんな気持ちであいつらの学校を訪れた。

そこへ聞こえたのは、先日イースターをクビになった二階堂と、さらにAの声だった。しばらく会話を聞いていたけれど、押さえつけられていたこはくが他のしゅごキャラの気配を感じ取る。オレがそこへ助け舟を出した。

『鞄取ってくるから外で待ってて』

撒いたところで意味なんてない。だから『帰宅』を選ぶ。そう答えを出したAがロイヤルガーデンに寄ってから合流すると言って、一旦別れたにゃ。

にゃー、にゃにゃにゃーにゃ。適当に歌っていたら背後に気配を感じた。しゅごキャラの気配。こはくか？早かったにゃ、と思って振り向くとそこにいたのは。

「お前ぇ、春に会った………」

「久しぶり。迷い猫くんは元気？」

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