黒ネコさんは悪い人じゃない④【しゅごキャラ】 (ページ30)

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180# 照れ隠しページ30

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目を凝らして、イクトの隣へ意を決して飛び降りる。何かあるのは分かるけど何かは分からない。もう一度どこか訊こうとしたとき、視界に急に眩しいくらいの光が飛び込んできた。

メリーゴーランドにジェットコースター、観覧車。他にも沢山。夜のニュース番組で、テーマパークのナイトショーの中継を観たことがある。アレよりは年季が入っててこじんまりって感じ。

だけど、あたしには充分衝撃的だった。どこもかしこもキラキラしている……。すごい。人並みの感想がもれる。

「あの塀の向こう、遊園地だったんだ。ずっと工事中なのかと思ってた……」

「もうすぐ取り壊されるんだよ……。ブレーカー入れると少しの間だけ電気が通る。……ま、すぐ落ちちまうけどな」

「オレのタイミング、天才だったっしょ」

「！！わっ」

誰もいない遊園地。普通は賑やかなイメージがあるから、こんなに静まり返っているのは少し奇妙。不思議な雰囲気。無防備になっていた肩に何かが置かれ、あたしは驚いて飛び上がった。

振り返ってそこにいたのはシキさん。……更にその後ろには、つい数時間前に別れたばかりのAもいる。彼女はあたしに気づくと手を振った。こんなにびっくりしてるの、あたしだけ？

話を聞いているに、ブレーカーを入れたのはシキさんぽい。そういえばイクトが携帯を触っていたっけ。アレ、相手はシキさん？

「昨日の放課後、イクトさんの顔が曇ってたって二織が言うから。そして今日はサボったらしいし」

「それで探しに来たのか？こんなとこまで」

「ここも"思い当たる場所"だからな。家行ったらいないって聞いてさ、思い切って連絡してよかったわ。ダチを気にして悪いかよ」

「……お節介」

彼はイクトの肩に腕をまわす。イクトはそう言う割に嫌がってはいなかった。仲良いんだなあ。二人が話しているのを見ていたら、手持ち無沙汰のAがあたしの隣に来た。

よかった。職員室で二階堂先生と話したときと違って、もう怒ってはいないみたい。

「二織から連絡来て探してただけなの。遊園地にいることは聞いたけど、あむも一緒だったんだね。どうして？」

「え、あ……えっと。先生のお説教が長くて！帰り道でたまたまイクトに会ったんだ。暗いから送るって言われたけどここに連れてこられて」

「………へー。二人ってそんな距離近い感じだったんだ」

疑われなかったのは嬉しい。

でもなんか……。目が笑っていないような？

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